2020 Fiscal Year Research-status Report
全病院向け事業継続計画策定・管理を可能にするBCM診断・支援ツールの開発
Project/Area Number |
19K10478
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐々木 宏之 東北大学, 災害科学国際研究所, 准教授 (90625097)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | BCP / BCM / 病院 / 事業継続計画 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、災害拠点病院・非災害拠点病院問わず全病院で使用可能なWEB版BCM (Business Continuity Management: 事業継続マネジメント)診断・支援ツールの新規開発を目指し、1)日本全国の病院BCP (Business Continuity Plan: 事業継続計画)策定状況の横断的調査、2)病院機能・病院種別のBCP・BCM基本構成要素の統計学的解析、3)病院BCP策定・BCM活動を容易に診断・支援できるWEB版ツールを開発し公開、4)病院BCP策定・BCM活動状況改善の評価・確認を行う。本研究によって各病院は災害時の事業継続における脆弱点の洗い出し、対策、訓練に容易に着手できるようになり、災害に強い地域医療体制の構築につながる。 令和2年度は、BCPに関する歴史的地理的レビュー論文「Scoping Review of Hospital Business Continuity Plans to Validate the Improvement after the 2011 Great East Japan Earthquake and Tsunami」をThe Tohoku Journal of Experimental Medicineに投稿し掲載された。文献的レビューから、国内外で策定される病院BCPの想定ハザードには地域特有の災害事象が想定されており地域差があることが判明、また歴史的推移においても近年になり水害、感染症をハザードとして位置づける病院BCPが多くなってきたことが判明した。他に病院BCP/BCMに関する論文1編発表、全国学会発表(招待講演)を2回行った。 令和2年初頭から感染拡大を続けている新型コロナウイルス感染症対策においては、病院BCP/BCMに関する知見を実践的に活用し、東北大学病院の機能維持(通常業務縮小、人員配置換えなど)に貢献している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和2年度には新型コロナウイルス感染症流行拡大などの災害要因が発生し、災害研究を推進している研究代表者の研究実施予定に遅れが発生した。また旅費に関し他研究の研究分担者予算の使用や、新型コロナ蔓延によって研究協力者等との会議がwebに切り替えられたことなどから、当初予定より残額が多く発生した。令和3年度に、当初予定していた研究と合わせ実施予定である。研究の遅れを取り戻せると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルス感染症流行状況を鑑みつつ、国内医療機関におけるBCP策定状況調査などを再開する。また、研究メンバーでの研究に関する会議はweb会議を活用することで対応していく。令和3年度は、国内での調査、データ解析、診断ツールの原型開発、論文取りまとめを予定している。
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Causes of Carryover |
令和2年度には新型コロナウイルス感染症流行拡大などの災害要因が発生したため、災害研究を推進している研究代表者の研究実施予定に遅れが発生した。また旅費に関し、他研究の研究分担者予算の使用、また研究協力者の旅費使用がほぼ凍結したため、当初予定より残額が多く発生した。令和3年度に当初予定していた研究を推進し、適正な予算執行に努める。
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Research Products
(11 results)