2021 Fiscal Year Annual Research Report
Efforts to Improve the Adherence of Schizophrenic Patients by Pharmacists
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19K10495
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
首藤 誠 摂南大学, 薬学部, 准教授 (30434872)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 統合失調症 / アドヒアランス / 再入院率 / 非再入院率 / 抗精神病薬 / フォローアップコール / 医療電話 / 薬剤師 |
Outline of Annual Research Achievements |
統合失調症は、慢性・再発性の疾患であるのに加え、その薬物治療は多剤大量療法となるケースが多い。そのため、統合失調症患者では、退院したものの、アドヒアランスの低下、病状の悪化などが起こり、入退院が繰り返されるものと推察される。ただ、これらは医療従事者あるいは家族の心理的なサポートがあることによって、その再入院率が低減するという報告もあり、様々な取り組みがされている。しかしながら、退院後の統合失調症患者に対する薬剤師による心理的サポートを検討した報告はほとんどないのが現状である。したがって、今回、病院薬剤師の電話による服薬支援カウンセリング(医療電話、フォローアップコール)が統合失調症患者の再入院率などへどのような影響を示すかを解析した。 2022年3月31日時点でフォローアップコール臨床試験に対象となった患者は、20名であった。フォローアップ非介入群は6名(男性3名、女性3名)で、平均年齢は49.7歳(男性55.3歳、女性44.0歳)であった。フォローアップコール介入群は14名(男性8名、女性6名)で、平均年齢は50.6歳(男性56.8歳、女性42.5歳)であった。再入院率については、退院後1ヵ月で、非介入群が16.7%であったのに対して、介入群では0%。その後、退院後3ヵ月、6ヵ月と非介入群に比して、介入群では再入院率が低い傾向にあった。 一方、フォローアップコール開始後の患者の各種薬物治療の状況では、介入群において、退院直後の抗精神病薬の投薬量に比して、退院後1ヵ月目から投与量の減少傾向が見られた。
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