2019 Fiscal Year Research-status Report
複合併存疾患インパクト 尺度 QDIS-7と糖尿病関連アウトカムとの関係
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19K10497
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Research Institution | Tenri Health Care University |
Principal Investigator |
林野 泰明 天理医療大学, 医療学部, 特別研究員 (70432383)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 糖尿病 / うつ症状 / 糖尿病関連の心理的負担感 / 総死亡 / 予後 |
Outline of Annual Research Achievements |
天理よろづ相談所病院、内分泌内科に通院する糖尿病患者を対象として、2009年から約4000名の大規模レジストリを作成している。本年度は、2019年度の患者調査を行い、検査データ、薬剤データを医療情報部から取得し、データセットを作成した。2009年からのデータと統合し、本年度は糖尿病患者の生命予後との関連、特にうつ症状(depressive symptoms [DS])、糖尿病関連の心理的負担感(diabetes distress [DD])と総死亡との関連について検討を行った。うつ症状の評価にはCES-D(The Center for Epidemiologic Studies Depression Scale) を用い、糖尿病関連の心理的負担感の測定にはPAID(Problem Areas in Diabetes)調査票を用いた。対象者をベースラインの調査結果によりDS(-)/DD(-)、DS(+)/DD(-)、DS(-)/DD(+)、DS(+)/DD(+)群に分類し、追跡期間中の総死亡との関連をコックス比例ハザードモデルを用いて解析した。多変量調整コックスハザードモデルにおいて、DS (-)/DD (-)群と比較した場合、DS(+)/DD(-)、DS(-)/DD(+)、DS(+)/DD(+)群の総死亡に関わるハザード比は1.34 (95%CI, 0.99–1.86; p = 0.056), 1.96 (95%CI, 1.10–3.50; p = 0.023), and 1.71 (95%CI, 1.06–2.77; p = 0.029)でありDSとDDは各々統計学的有意に総死亡と関連していたが、DSとDDの間で統計学的に有意な交互作用は認めなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の目的は10年目調査の調査票作成とデータ収集であるが、データの収集は問題なく行われ、電子データである検査データ、及びオーダリングデータとの結合も終了した。また、収集したデータを解析した結果を論文にまとめ、国内外で発表を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度以降も継続して年度ごとに調査票の作成、データの収集を行う。また、継続してデータセットの作成、統計解析を行い、結果を論文の形にまとめ、国内外の学会(日本糖尿病学会、糖尿病合併症学会、日本内科学会等)、査読のある関連雑誌(Diabetes Car e、Diabetologia、Diabetic Medicine等)に発表する予定である。
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Causes of Carryover |
(理由)研究補助者の雇用が想定していたより短期間となり、人件費・謝金の支出が想定を下回ったため。 (使用計画)令和2年度に繰越し、2年度の研究計画の遂行に使用する計画である。
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