2020 Fiscal Year Research-status Report
Data-mining analyses and visualization of multimorbidity structure
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19K10508
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
近藤 高明 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 教授 (00195900)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 共罹患 / 生活習慣病 / 健康保険組合 / レセプト / アソシエーションルール |
Outline of Annual Research Achievements |
疾患の共存状態(Multi-morbidity)特定することで予期しない疾患同士の関連を明らかにし、疾患の発症要因を説明するための新しい洞察を得ることができる。本研究では某企業健康保険組合加入者のレセプトデータにARM(Association Rule Mining)を適用し、心血管疾患、慢性腎臓病、およびこれらの発症リスクを高めるとされる生活習慣病の共存状態について明らかにすることを目的とした。対象者は2011年4月から2018年3月までの7年間に健康保険組合に加入していた40歳から59歳までの21,051人(被保険者と被扶養者)である。対象疾患は虚血性心疾患、高血圧性疾患、脳血管疾患、糖尿病、脂質異常症、慢性腎臓病、心不全、COPDの8疾患とし、これらの疾患の患者の抽出には国際疾病分類第10版を用いた。解析には解析ソフトRでarulesパッケージApriorを用い、Support、Confidence, Lift の3指標で評価を行った。 対象者の10.2%が高血圧性疾患と脂質異常症の両方に罹患していて、高血圧性疾患に罹患している人の56%が脂質異常症に罹患していた。また高血圧性疾患を有する人は単独の発症に比べて、脂質異常症になるリスクが2.13倍高いことが示された。3つの評価指標が最大となったルールでは、患者数の多かった脂質異常症、高血圧性疾患、糖尿病を含むルールが抽出されたルールの大部分を占め、COPDやCKDを含むルールは抽出されなかった。さらに今回抽出された疾患の組合せにおいて、何らかの疾患を有する患者の50%以上が、同時に脂質異常症にも罹患していたことから、脂質異常症が他の疾患の発症に関連する可能性が示唆された。ARM結果を可視化したネットワーク図では、特に2011年度から2014年度と2015年度から2017年度の2つの期間において高い類似性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
パンデミックによる業務の大幅な見直しのため、解析に費やす予定であった時間の削減を余儀なくされたため。
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Strategy for Future Research Activity |
必要なデータはほぼ入手できているので、解析に適した構造へのデータ変換作業をすすめ、直ちに解析を実施する。
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Causes of Carryover |
昨年度までに入手したデータを雇用や外部委託によって変換作業を進める予定であったが、パンデミックによる業務内容の変更により計画手順の立案と実施に大幅に遅延が生じたことによる。
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