2022 Fiscal Year Annual Research Report
Data-mining analyses and visualization of multimorbidity structure
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19K10508
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Research Institution | Shubun University |
Principal Investigator |
近藤 高明 修文大学, 医療科学部, 教授 (00195900)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 肺がん / 死亡率 / APCモデル / Net Drift / 識別問題 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】全国と愛知県の肺がんの死亡率データを用いたAge-Period-Cohort(APC)モデル解析により、年齢効果、時代効果、出生コホート効果を分離し、肺がん死亡のトレンドに関する特徴を明らかにする。【方法】人口動態統計から1958~2012年の35歳以上肺がん死亡データと国勢調査での人口を用いて、時代間隔5年、年齢階級5歳幅で肺がん死亡標準コホート表を全国と愛知県で男女別に作成し、web toolによるAPCモデル解析を行った。【結果】全国、愛知県とも観察期間での肺がん死亡率の有意な直線的増加傾向(net drift)が見られたが、愛知県男性での増加率は全国より高かった。年齢階級別にみた場合の増加率は、年齢階級が高くなるにしたがって顕著となり、愛知県男性での高年齢階級での増加率は全国男性より高かった。横断的にみた年齢階級別死亡率にはnet driftによるバイアスが含まれており、年齢階級があがるほどその影響は大きくなった。第二次世界大戦終戦前後の出生コホート以降の世代では基準出生コホートに対する死亡率比の上昇がみられたが、愛知県男性ではその傾向が大きかった。1960年以降の出生コホートでは死亡率比の減少がみられるが、信頼区間の幅が広いため断定的な結論にはいたらなかった。【考察】APCモデルを適用することにより、伝統的な年齢標準化死亡率指標では明らかにできない出生コホート効果や時代効果の影響を推定することが可能となり、愛知県男性は全国に比べて肺がん死亡に関連する危険因子への曝露が高かった可能性が示唆された。
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