2019 Fiscal Year Research-status Report
人びとの健康志向に関わる不確実性社会の横断的・経時的影響の解明
Project/Area Number |
19K10519
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
三澤 仁平 日本大学, 医学部, 助教 (80612928)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
たら澤 邦男 東北大学, 医学系研究科, 助教 (30632806)
尾形 倫明 東北医科薬科大学, 医学部, 助教 (60633675)
森谷 就慶 東北文化学園大学, 医療福祉学部, 教授 (80382696)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 健康志向 / 不確実性社会 / 社会構造 / 社会調査 / 経時的影響 / 健康の社会的決定要因 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の大きな目的は、人びとの健康志向に関わる不確実性社会という社会構造の横断的および経時的影響を解明することである。当該課題は、4年間の課題であり、当該年度では、1年目の目標として設定されている、不確実性社会指標の経時的データセットの作成と、次年度の社会調査の調査実査に向けた準備をすることを目標とした。 具体的には、まず、マクロ水準における不確実性社会指標データセットの作成をおこなうために、不確実性社会を示す指標作成のため、文献レビューをおこなうこととした。不確実性社会という社会構造として、高齢化率、失業率、医療提供体制・社会保障制度の変容を指標として想定し、これらに関する文献収集をおこなった。高齢化率、失業率は不確実性社会を示す指標として有効であることが、文献をレビューしたところ明らかにされた。また、医療提供体制・社会保障制度についても、文献レビューをしたところ、不確実性を示す指標として充分に妥当であると考えられた。この、医療提供体制・社会保障制度については、さらに、不確実性社会の指標としての妥当性を検討するために、公的公開データを使った二次データ分析をおこなった。国の予算に占める社会保障費の割合が経時的にどのように変化しているかということと、国民の健康との関連について、現在のところ、分析中である。 しかし、上記の作業がまだ終わっていないため、宮城県における官公庁公開データを用いた、市区町村・二次医療圏をマクロ水準の単位とした不確実性社会指標データセットはまだ作成過程である。 つぎに、次年度の社会調査の調査実査に向けた準備に向けて、分担者および協力者とともに、ミーティングを重ね、次年度の調査実査の役割分担などについて検討している。しかし、方法論をどのように設定するかなど詳細な研究デザインについては、まだこれからの検討課題である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
不確実性社会を示す指標として、文献レビューをしたところ、高齢化率、失業率は不確実性社会指標として有効であると考えられた。また、医療提供体制・社会保障制度の妥当性もまた不確実性社会指標として充分であると確認されたが、さらに、不確実性社会の指標としての妥当性のさらなる検証をおこなうために、公的公開データを使った二次データ分析をおこなっている。国の予算に占める社会保障費の割合が経時的にどのように変化しているかということと、国民の健康との関連について、現在のところ、分析中である。しかし、公開データの構造などの理解に時間がかかり、思ったより分析が進んでいないのが現状である。 さらに、この二次データ分析の作業がまだ終わっていないため、宮城県における官公庁公開データを用いた、市区町村・二次医療圏をマクロ水準の単位とした不確実性社会指標データセットはまだ作成過程である。 つぎに、次年度の社会調査の調査実査に向けた準備に向けて、分担者および協力者とともに、ミーティングを重ね、次年度の調査実査の役割分担などについて検討している。しかし、方法論をどのように設定するかなど詳細な研究デザインについては、まだこれからの検討課題である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究を推進していく方策としては、まず第一に、不確実性社会を示す指標として、医療提供体制・社会保障制度の妥当性のさらなる検討をしていくことが求められる。そのためにも、国の予算に占める社会保障費の割合が経時的にどのように変化しているかということと、国民の健康との関連についての分析を鋭意すすめてゆくことが必要であると思われる。 さらに、この二次データ分析を推し進めていくことで、まだ作成過程となっている、宮城県における官公庁公開データを用いた、市区町村・二次医療圏をマクロ水準の単位とした不確実性社会指標データセットの作成を推進することができるものと思われる。 また、同時にすすめられている、次年度に実施予定の社会調査実査に向けて、現在においても、分担者および協力者とともに、ミーティングを重ね、次年度の調査実査の役割分担などについて検討している。しかし、方法論をどのように設定するかなど、詳細な研究デザインについては、まだこれからの検討課題であるという課題が残されていた。そこで、研究を推進するための方策として、調査対象地域に関する文献調査やサーベイをおこない、前もった調査対象地域の把握をおこなっていきたいと考えている。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が本年度では生じることとなった。それには大きく理由が2つある。 1つめは、本年度では、次年度に実施予定の社会調査実査に向けて、分担者および協力者とともに、ミーティングを重ね、次年度の調査実査の役割分担などについて検討するための旅費を予算として考えていた。しかし、直接的に会うミーティングではなく、SkypeやzoomなどをもちいたWeb会議が近年、大きくひろまり、また、新型コロナウイルスの影響による外出自粛要請なども関連して、Web会議によるミーティングを本年度におこなった。在宅や研究室で資料をみながら会議ができるので、その有用性は言うまでもないが、本年度は、細かな印刷代や郵送代なども、思ったよりかからなかった。 2つめは、宮城県における官公庁公開データを用いた、市区町村・二次医療圏をマクロ水準の単位とした不確実性社会指標データセットはまだ作成過程であるため、その作成にかかる費用がかからなかったということが、次年度使用額が生じた理由である。 では、次年度使用額が生じたことによる、次年度の使用計画であるが、そのほとんどを、次年度に予定している社会調査の実施費用にあてることを予定している。詳細な調査デザインはまだ確定していないものの、社会調査には非常にお金がかかることは、経験的にわかっていることであるため、社会調査実施費用として計上することを計画している。
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