2019 Fiscal Year Research-status Report
早期患者安全教育は医学生の患者安全に対する意識を高めるか?
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19K10526
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
田畑 雅央 東北大学, 大学病院, 講師 (40621529)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 医療安全 / 医療安全教育 / 医学教育-卒前 / Early Exposure / 医療の質 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年9月 医学科1年生78人に対して、医療安全に関する基本的な知識の講義と、シミュレーターを使用した模擬採血の実習を行った。実習後、危険予知トレーニング(KYT)を行い、採血に伴う危険を振り返り、それに対する未然防止について検討してもらった。参加者への調査では評価は高く、医療事故に対する考えかただけではなく、医師の果たす役割(プロフェッショナリズム)やopen disclosureにも思いいいたっていた。 2020年1月 医学科2年生12人に対して、PBLチュートリアル形式で演習を行った。医療事故の原因についてKJ法にてまとめた後、横浜市立大学附属病院患者取り違え、都立広尾病院消毒薬誤注入、鳴門病院筋弛緩薬誤投与についてグループで事故の経緯、その要因と対策、社会に与えた影響、そして自分たちならどのようにするかを検討してもらい、発表してもらった。これらからヒューマンエラーの環境的な要因や人的要因に対して理解を深めてもらった。また社会への説明責任や透明性の重要さにも気づいてもらった。 2020年2月には医学科・看護科1年生約200名に対して、横浜市立大学医学部附属病院患者取り違えを題材にグループワーク形式の演習を行った。医療の複雑性、ヒューマンファクターズ等について気づきを得ていた。 2019年9月18日~20日 台湾台北市にて開催された、International Forum on QUALITY & SAFETY in HEALTHCAREに参加し、早期からの医療安全教育の有効性、その方法や評価等について口演、ポスターセッション、シンポジウム等で情報収集を行った。また施設見学、討論を通して、今後の研究の方向性や問題点について、有益な示唆を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2月以降COVID-19の影響で予定していた事業の一部ができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
COVID-19の影響が収束するまで、データの整理および先行研究の検索等に当てる。収束後は予定していた調査等を行い、データをまとめ発表の準備を行う。
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Causes of Carryover |
次年度使用額は研究にあたり既存の設備等を使用し効率的に行ったことと、COVID-19の影響で年度末に行う予定の事業が実施できなかったため生じた。今後当初予定していた事業を行うとともに、研究データの整理や文献検索、発表準備に使用する予定である。
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