2020 Fiscal Year Research-status Report
在宅看取りに影響する同一地域病院の機能の解明:NDBレセプトと公開データ併用分析
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19K10550
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
たら澤 邦男 東北大学, 医学系研究科, 講師 (30632806)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤森 研司 東北大学, 医学系研究科, 教授 (80264539)
森谷 就慶 東北文化学園大学, 医療福祉学部, 教授 (80382696)
尾形 倫明 東北医科薬科大学, 医学部, 助教 (60633675)
千葉 宏毅 北里大学, 医学部, 講師 (90713587)
三澤 仁平 日本大学, 医学部, 助教 (80612928) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 在宅看取り / 同一地域病院の機能 / NDBレセプトデータ / 官公庁公開データ / がん患者 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度(2年目)は、厚生労働省より取得したNDBレセプトデータ(集計表情報)および官公庁公開データの収集・集計・解析を行った。 NDBレセプトデータは、「都道府県」を単位とした「集計表情報」として平成29年度の医科入院・医科入院外・DPCの各データに含まれる「転帰が死亡のがん患者」を対象とし、在宅看取りの件数および割合を推計できるようデータを取得した。 官公庁公開データは、「地域別の医療資源(人口10万対)」として5種類(「DPC算定病床数」、「療養病床数」、「在宅療養支援診療所数」、「在宅療養支援病院数」、「訪問看護ステーション数」)、「地域別の変数」として5種類(「人口」、「1世帯あたり人員数」、「高齢夫婦世帯が占める割合」、「高齢者単身世帯が占める割合」、「1人あたり国民医療費」)、「レセプト情報による診療行為の性・年齢調整済み地域差、Standardized Claim-data Ratio、SCR」として4種類(「在宅患者訪問診療料」、「往診料」、「緊急往診料」、「訪問看護指示料」)を収集し、都道府県を単位としてNDBレセプトデータと連結し集計・解析を実施した。 NDBレセプトデータの集計結果より、在宅看取り割合に係る統計量は、平均値26.3%、標準偏差6.1%、最小値14.3%、最大値42.1%となり、都道府県全体で約3倍の開きがみられた。また、NDBレセプトデータと官公庁公開データを連結したデータの解析結果より、都道府県別の在宅看取り割合に関する増高要因として「在宅患者訪問診療料のSCR」が、低減要因として「DPC算定病床数」、「療養病床数」がそれぞれ挙げられた。 以上より、在宅看取り割合は都道府県別に一定の開きがあること、および在宅看取り割合の増高要因は在宅患者訪問診療料の算定が多いこと、低減要因は急性期および慢性期の病床数が多いこと、が分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度(2年目)は、NDBレセプトデータ(集計表情報)と官公庁公開データを連結し、分析・解析を行った。 NDBレセプトデータの取得申請については、まず「都道府県」を単位とした「集計表情報」を取得し当該データの解析を終えたのち、「二次医療圏」を単位とした「特別抽出情報」の取得申請を行う方針とした。しかしながら、本年度は「新型コロナウイルス感染症」に係る総合的な業務量増大等の影響により、データ解析が予定どおり進まず、NDBレセプトデータ(特別抽出情報)の取得申請に着手できなかった。 上記の「データ解析が予定どおり進まなかった点」、「NDBレセプトデータ(特別抽出情報)の取得申請に着手できなかった点」より、本研究の現在までの進捗状況を「やや遅れている」と判定した。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度(3年目)は、NDBレセプトデータの追加的な取得申請、官公庁公開データの継続的な収集、そしてNDBレセプトデータと官公庁公開データを連結したデータの分析を行う。 NDBレセプトデータ(特別抽出情報)については早期に取得申請に着手し、当該年度内の取得および分析を目指す。 官公庁公開データは、引き続き「地域別の医療資源」、「地域別の変数」、「レセプト情報による診療行為の性・年齢調整済み地域差、Standardized Claim-data Ratio、SCR」を収集し、NDBレセプトデータ(特別抽出情報)の取得後、直ちに分析を開始できるよう準備を進める。 NDBレセプトデータ(特別抽出情報)と官公庁公開データとの地域連結は「二次医療圏」を単位として実施し、当該地域を対象とした在宅看取りの高低に影響を与える要因を明らかにする。 また新型コロナウイルス感染症の動向を注視しつつ、引き続き分担研究者とオンラインまたは対面による会議を「計画的」に実施して本研究の遂行に向けた議論を深める。併せて本研究に関連する最新の科学論文を渉猟し、必要な情報収集に努める。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、NDBレセプトデータに係るデータベース構築のための委託費用を使用しなかったこと、新型コロナウイルス感染症拡大の影響に伴い打ち合わせを目的とした旅費を使用しなかったこと、以上2点が主たる理由である。 今後、NDBレセプトデータの取得および新型コロナウイルス感染症の状況に合わせ、適宜当該研究費を使用する。
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Research Products
(19 results)
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[Journal Article] The clinical practice of ulcerative colitis in elderly patients: An investigation using a nationwide database in Japan2021
Author(s)
Rintaro Moroi, Hisashi Shiga, Kunio Tarasawa, Kota Yano, Yusuke Shimoyama, Masatake Kuroha, Yoichi Kakuta, Kiyohide Fushimi, Kenji Fujimori, Yoshitaka Kinouchi, Atsushi Masamune
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Journal Title
An open access journal of gastroenterology and hepatology
Volume: -
Pages: -
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Efficacy of urgent colonoscopy for colonic diverticular bleeding: A propensity score-matched analysis using a nationwide database in Japan2020
Author(s)
Rintaro Moroi, Kunio Tarasawa, Hisashi Shiga, Kota Yano, Yusuke Shimoyama, Masatake Kuroha, Yoichi Kakuta, Kiyohide Fushimi, Kenji Fujimori, Yoshitaka Kinouchi, Atsushi Masamune
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Journal Title
J Gastroenterol Hepatol.
Volume: -
Pages: -
DOI
Peer Reviewed
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