2019 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of the strategy towards the healthy life expectancy stretching by the use of big data
Project/Area Number |
19K10559
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
池田 佳代 広島大学, 医系科学研究科(薬), 助教 (30379911)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小澤 孝一郎 広島大学, 医系科学研究科(薬), 教授 (10211822)
細井 徹 広島大学, 医系科学研究科(薬), 准教授 (40379889)
吉井 美智子 広島大学, 医系科学研究科(薬), 助教 (40230677)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | ビッグデータ / 健康寿命 / 平均寿命 / 健康サポート薬局 / 生活習慣病 |
Outline of Annual Research Achievements |
広島県の健康寿命(平成22、25、28年の平均値)が、男性が全国26位である一方で、女性は47位と最下位であり、その要因解明が必要と考えられる。近年、健康サポート薬局制度が施行され、薬剤師の地域住民の健康維持増進に果たす役割の重要性が増している。広島県の薬局では「健康フェア」の開催等を通じて健康サポートを行っているが、地域住民により有効な健康サポートの提供が必要と考えられるため、地域住民を対象としたアンケートを実施した。具体的には、広島市域薬剤師会に各地区の薬局の地域住民対象のアンケートを依頼した。本研究は、広島大学疫学研究倫理審査委員会の承認(第E-1403-2号)を得て実施した。アンケートでは、健康に関連する生活習慣である①食生活、②運動、③健康意識、④喫煙・飲酒などの調査を合わせて行った。 今回、広島市住民854名からアンケート回答が得られ、健康に関連する生活習慣を男女別に解析した。その結果、間食は「ほとんどとっていない」が男性の24%に比べ、女性では11%で少なかった。「運動習慣がある」は男性23%に対して、女性16%で少なかった。これらの生活習慣の男女の差異が広島県女性の健康寿命が最下位との関連が示唆された。この明確化には他の都道府県での同様のアンケート調査との比較が必要と考えている。 また、薬局での「健康フェア」において、参加者のBMI(Body Mass Index)、腹囲(内臓脂肪面積100cm2のマーカー)を評価するために、広島県特定健診データをビッグデータの一つである「レセプト情報・特定健診等情報データベース(National Database (NDB)」のオープンデータである「NDBオープンデータ」を活用した。その結果、「健康フェア」参加者の肥満を広島県特定健診データと比べて評価することができ、ビッグデータの健康サポートへの有用性が示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
広島市住民を対象とした生活習慣の男女差については、「セルフメディケーションへの意識調査に基づいた新規健康フェア実施方法の模索」(一般用医薬品セルフメディケーション振興財団 平成30年度調査・研究助成金)で行ったアンケートの一部を活用して解析を行い、ほぼ順調に進捗しており、前研究のアンケートを本研究で有効活用していると考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
「研究実績の概要」で述べた他の都道府県でのアンケート調査を計画していたが、COVID-19の状況から現時点では実施は困難である。 従って、まず下記に示す当初の研究実施計画であるビッグデータ「レセプト情報・特定健診等情報データベース(National Database(NDB)」の「NDBオープンデータ」を活用した健康寿命延伸要因の探索(比較として平均寿命延伸の要因の探索)を推進する計画である。 ビッグデータの解析に関して、(A)メタボリックシンドローム及び生活習慣病の特定健診データ、(B)薬の処方情報、診療行為等のデータをビッグデータとして扱う。(A)の特定健診データには、BMI(肥満度の指標)、腹囲、中性脂肪、収縮期血圧、拡張期血圧、HbA1c(糖尿病の指標)等がある。また、(B) 薬の処方情報、診療行為等のデータとして、各薬剤の処方数、血圧降下剤、血液凝固阻止剤、糖尿病剤、認知症薬等をNDBオープンデータから得て、医療の実態を調査する。さらに、医学管理、在宅医療等のデータの活用も行う。ビッグデータについて、1)相関分析、2)Customer Satisfaction (CS) 分析、3)重回帰分析等の解析方法により関係性を解明する。平均寿命についても実施することで、平均寿命との相違点が明らかになることが期待される。
|
Causes of Carryover |
初年度に統計解析ソフト等(解析評価装置)の購入を計画していが、アンケート結果のデータとりまとめを優先することとし、購入仕様の決定に時間を要したため初年度交付金額からの購入が困難と考えた。 初年度に購入予定であった統計解析ソフト等(解析評価装置)により大規模データの統計処理への対応可能であることを確認できたので今年度購入することにより、今年度計画に遅れは発生しない。
|
Research Products
(1 results)