2022 Fiscal Year Research-status Report
医療者としての態度を養う教育基盤形成へのVirtual Reality技術の応用
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19K10566
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
中村 陽一 東邦大学, 医学部, 教授 (10349904)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣井 直樹 東邦大学, 医学部, 教授 (30366497)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | Virtual Reality |
Outline of Annual Research Achievements |
Virtual Realityの研究を構想し実施を開始した2019年度には、まだ本技術が一般的に認知され始めた時期であった。しかし、その後の新型コロナ感染症のパンデミックにより、一般社会においてもVirtual Realityが用いられるようになった。新型コロナ感染による高等教育の変化として、ICTを用いた教育や医療系であっては、患者と直接介入することが困難な状況となり、研究企画段階よりも広く一般でVirtual Realityが実践されるようになった。 本研究では、Virtual Reality技術による教育の効果を検証するものであり、我々の研究では医療者の「態度」教育においての有用性が認められた。 本学でのVirtual Realityに関する取り組みとしては、看取りの場面における医療者の態度教育、患者や家族と医療者の意見の衝突などの動画を作成した。さらに研究の題材を検討していたが、研究以前にVirtual Realityの教育現場への実装のスピードが早く、本学でも感染症への対応に関するVirtual Realityを用いた教育などが展開されている。 2022年度は新型コロナ感染症により研究対象の学生のリクルートに難渋し、動画を用いた研究の遂行が難しく、研究の進捗に大きな影響を受けた。今後は研究課題の中で、学生が直接関わることの難しい臨床場面として、スピリチュアルペインを患者が訴えてきた場面に対する医療者の関わりを題材にしたいと考え、準備を行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナ感染症により研究対象の学生のリクルートに難渋し、動画を用いた研究の遂行が難しく、研究の進捗に大きな影響を受けた。また、研究立案時には高等教育でVirtual Realityを用いるという着想が稀有なものであったが、すでに本技術を用いた教育は広く行われるようになっている。そのため、研究の新規性が急激に薄れてしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は研究課題の中で、学生が直接関わることの難しい臨床場面として、スピリチュアルペインを患者が訴えてきた場面に対する医療者の関わりを題材にしたいと考えている。スピリチュアルペインは、人が自己のありようが肯定できない時に生じる苦痛であり、臨床現場にまだ出ていない学生にとっては、経験することが難しい場面でもある。 スピリチュアルペインへのコミュニケーショントレーニングにてVirtual Realityの動画を撮影し、その有用性を検討したい。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染症の影響により、昨年度の研究は、過去に作成した動画を用いたVirtual Reality動画での研究を実践した。新たな動画コンテンツ作成を行なっておらず、次年度使用額が生じた。2023年度は研究にあたりVirtual Realityを用いたスピリチュアルペインに対する動画を作成し研究の実践を行う予定であり、VR編集のためのパソコンの購入および、情報収集、成果発表のための学会出張を予定している。
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