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2023 Fiscal Year Annual Research Report

苦痛緩和のための鎮静と安楽死との違いを明確にする鎮静の定義に関する実証研究

Research Project

Project/Area Number 19K10575
Research Institution一般社団法人コミュニティヘルス研究機構

Principal Investigator

今井 堅吾  一般社団法人コミュニティヘルス研究機構, エンドオブライフ研究部, 研究部長 (10829188)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 山口 拓洋  東北大学, 医学系研究科, 教授 (50313101)
川口 崇  東京薬科大学, 薬学部, 准教授 (60548486)
Project Period (FY) 2019-04-01 – 2024-03-31
Keywords鎮静プロトコル / 苦痛緩和のための鎮静 / 鎮静の定義 / 調節型鎮静 / 持続的深い鎮静
Outline of Annual Research Achievements

終末期に苦痛緩和のために行われる鎮静では、標準化された鎮静薬の投与方法がないことや、鎮静の定義が意識を低下させるという意図を含んでいるためにあいまいで、何が鎮静かについて解釈がバラバラで安楽死との違いが明確でない。この解決のため再現可能な投与プロトコル(薬剤投与方法の手順)により鎮静を新たに定義することで安楽死との違いを明確化することに取り組んだ。
2018年度までに単施設(聖隷三方原病院)で実施されてきた鎮静薬の投与プロトコルを各施設で実施可能となるように修正を加えた。苦痛に合わせて鎮静薬を増量する調節型鎮静プロトコルと、最初から深昏睡になるまで鎮静薬を投与し維持する持続的深い鎮静プロトコルを作成した。
各施設で前向きに評価し、過去の単施設の結果と今回行った多施設での結果を比較すると、鎮静開始4時間後の治療目標の達成は、調節型鎮静プロトコルでは単施設で69%、多施設で77%、持続的深い鎮静プロトコルではそれぞれ83%と88%であり、プロトコル使用により再現性を持って同程度であった。鎮静プロトコルに関連したと臨床的に判断された致死的な事例は、単施設の研究では0%(0/50)で、多施設では1%(1/81)であった。重篤な合併症は稀であるか、少なくともこの死亡直前の極限的な状態においては許容範囲内で発生するということが示唆され、プロトコルに基づいた鎮静の安全性が示された(J Pain Symptom Manage. 2021;62:1165-1174)。
これらの結果より、安楽死との違いを明確にする鎮静の定義が確立できた。更に、各投与プロトコルで定義された鎮静は、治療内容と結果が明らかな、再現可能な標準治療とすることが可能となった。今後、標準治療と新たな投与プロトコルの比較試験を行うことで、更に治療成績の良い投与プロトコルの開発につながることが期待される。

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Published: 2024-12-25  

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