2022 Fiscal Year Annual Research Report
芽胞形成・毒素産生環境の制御に焦点をあてたウェルシュ菌食中毒予防に関する基礎研究
Project/Area Number |
19K10580
|
Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
安木 真世 大阪公立大学, 大学院獣医学研究科, 准教授 (40589008)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | ウェルシュ菌 / 食中毒 / 芽胞形成 / 胆汁酸 / Spo0A |
Outline of Annual Research Achievements |
胆汁酸によるウェルシュ菌の芽胞形成・毒素産生メカニズムを明らかにするために、芽胞形成マスターレギュレーターSpo0Aのリン酸化に関与する細菌因子の同定を目的としている。本年度の成果は以下の通りである。 Spo0Aと相互作用する芽胞形成の新規転写調節因子の可能性が見いだされた遺伝子Aについてその作用機序を明らかにすべく組換えタンパク質を作製した。Spo0A/GST融合タンパク質、A/MBP融合タンパク質を作製し、プルダウンアッセイにて相互作用の有無を確認したが、両者の結合は確認されなかった。またA/MBP融合タンパク質を用いてゲルシフトアッセイを行ったがDNAへの結合は確認されなかった。これらの理由の1つとしてタンパク質Aの分子量が10kDa未満であり、MBPにより活性部位がマスクされている可能性が考えられた。そこで、分子量の小さいHisタグを用いてA/His融合タンパク質を作製した。作製された融合タンパク質は大腸菌における産生量が少なく実験に供試できなかった。今後適切なAの組換えタンパク質を作製することで分子機序解明が進むことが期待される。 胆汁酸が結合する細菌タンパク質の探索について、当初予定した抗胆汁酸抗体による共免疫沈降法は容積比の問題から難しいと考えて断念した。代替法として胆汁酸を直接磁気ビーズに結合させる方法を適用した。本方法は分子量数百程度の低分子物質と相互作用するタンパク質の同定に使用されていることから、実験を進めることで胆汁酸と結合する細菌因子の同定に役立つことが期待される。
|
Research Products
(1 results)