2020 Fiscal Year Research-status Report
健康長寿関連指標を規定する遺伝・環境要因の包括的解析と健康リスクの予知予測
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19K10581
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
竹下 達也 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (20150310)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 景一 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (70416387)
朝村 真一 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (20340804)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 動脈硬化 / 飲酒 / 生活習慣 / 疫学 |
Outline of Annual Research Achievements |
地域住民2218人(男性986人、女性1232人)について、飲酒習慣と2つの動脈硬化指標(上腕足首間脈波伝播速度(baPWV)および頚動脈内中膜厚(cIMT))の関連性の検討を行った。飲酒習慣については、1日平均飲酒量推定値により男性では4群、女性では3群に分け、共分散分析を行った。Model1では年齢、BMI、喫煙、運動、治療にて調整を行い、Model2では血圧を加えて調整を行った。またModel3では更にLDL-C、HDL-C、HbA1c、TGを加えて調整を行った。結果であるが、baPWVについては、男性では、Model1のみであるが飲酒とbaPWVとの間に有意な関連がみられた。女性ではModel1のみに関連する傾向がみられた。cIMTについては、男性では、飲酒とcIMTの間に、すべてのModelにおいて有意な関連がみられた。一方、女性では、このような関連性はみられなかった。男性の飲酒とcIMTとの関連については、喫煙の有無による差異はみられず、飲酒の独立した影響と考えられた。また3つのModel間でも関連性に差がみられなかったことから、この関連性は共変量と独立の影響と考えられた。今後は、アルコール代謝酵素遺伝子型を加味した解析を行っていくことが重要と考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
飲酒は、喫煙と並んで、きわめて重要な生活習慣の要素である。また、baPWVおよびcIMTは、動脈硬化の進行度合いの重要な指標である。これらの要因と結果を大人数の移動の少ない住民に対して測定でき、またその関連性を明らかにすることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
東アジアにおいては、飲酒習慣が遺伝子型の影響を強く受けるため、この遺伝要因を加味した解析を進めることにより、さらに精度の高い解析結果が得られることが期待される。
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Causes of Carryover |
予定していた血液・尿検体の測定のスケジュールが延びてしまい、次年度へ持ち越しになってしまったため。
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