2019 Fiscal Year Research-status Report
ゲノム編集技術を用いた1,2-ジクロロプロパンの毒性機序の解明
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19K10589
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Research Institution | National Defense Medical College |
Principal Investigator |
吉岡 範幸 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 衛生学公衆衛生学, 助教 (70365229)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 1,2-ジクロロプロパン |
Outline of Annual Research Achievements |
塩素系有機溶剤である1,2-ジクロロプロパン(DCP)やジクロロメタン(DCM)が使用されていた印刷事業場の従業員に胆管がんが多発したが、ヒトにおいてみられたこの胆管がんは動物実験では再現できていない。これはヒトと動物ではこれらの有機溶剤に関与する薬物代謝酵素の種類や発現量が異なることが考えられている。本研究はDCPの曝露により、胆管がんが発生するメカニズムを解明するために、ヒトiPS細胞由来肝細胞等を用い、ゲノム編集技術を使ったCRISPR sgRNAライブラリーによるノックアウトスクリーニングを行い、胆管がん発生に関与する遺伝子を探索することが目的である。2019年度はaddgeneよりHuman CRISPR Knockout Pooled Library (Brunello)を入手した。入手したプラスミドライブラリーをコンピテントセルにエレクトロポレーション、培養、回収しライブラリを増幅させた。さらに、このライブラリーをレンチウイルスによる遺伝子導入を行うため、レンチウイルスでパッケージングした。パッケージングは増幅したライブラリーとパッケージングプラスミドであるpsPAX2、エンベローププラスミドであるpMD2.Gを293T細胞にコトランスフェクションし、培養後、上清よりレンチウイルスを回収した。また別途、ヌクレアーゼであるCas9の安定発現細胞株を作製するためにlentiCas9-BlastをHepG2にレンチウイルスベクターによる遺伝子導入を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
効率的な研究推進のため今年度は調達と試料の生成を中心に行った。
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Strategy for Future Research Activity |
研究に必要な試料(レンチウイルスプール型sgRNAライブラリーやCas9発現細胞株など)の構築は予定通り完了したため、今後は、これらを活用して、当初の研究計画書に沿って、ノックアウトスクリーニングを行い、胆管がん発生に関与する遺伝子を探索する。
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Causes of Carryover |
未使用額の発生は効率的な物品調達を行った結果である。次年度申請する研究費は、試薬、消耗品等と受託研究に充当する予定である。
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