2020 Fiscal Year Research-status Report
Analysis of Adverse effects with Vero-cell-derived Japanese Encephalitis vaccine for using notified data
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19K10591
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
新井 智 国立感染症研究所, 感染症疫学センター, 主任研究官 (80321868)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森野 紗衣子 国立感染症研究所, 感染症疫学センター, 主任研究官 (00612722)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ワクチン / 副反応 / 細胞培養日本脳炎ワクチン / 同時接種 |
Outline of Annual Research Achievements |
医療機関から届けられた2020年の日本脳炎ワクチン接種後の副反応発生状況は、59例が報告されており、2018年の83例、2019年の63例と比較して増加は認められなかった。 同一期間のワクチン接種数情報と副反応報告数から、令和元年(2019年)11月1日から令和2年(2020年)12月31日までの副反応発生頻度は、重篤症例の報告が0.142/10万接種/月(令和元年11月1日~令和2年2月29日)、0.151/10万接種/月(令和2年3月1日~6月30日)、0.152/10万接種/月(令和2年7月1日~9月30日)、0.144/10万接種/月(令和2年10月1日~12月31日)で発生頻度に違いは認められなかった。非重篤症例も合わせた発生頻度は、それぞれ0.366/10万接種/月、0.363/10万接種/月、0.38/10万接種/月、0.46/10万接種/月であった。近年、複数のワクチンの同時接種が積極的に用いられるようになってきたが、令和元年(2019年)11月1日~令和2年(2020年)12月31日までの中でおたふくかぜワクチンとの同時接種事例における報告が4例あり、そのうち3例に無菌性髄膜炎の副反応が確認されている。一般的におたふくかぜは、発症年齢が高くなるほど臨床症状も重篤化する傾向にある。庵原によれば、おたふくかぜワクチンにおいても接種年齢が上昇するほど耳下腺腫脹のオッズが上昇することが報告されており、ワクチン接種における副反応を全般的に抑制させるためにワクチンそれぞれにおける接種推奨年齢を正確に把握し、リスク軽減を徹底する必要がある。今後同時接種も含めたリスク因子検索を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
公開されている副反応情報を基に、記述疫学を行い同時接種しているワクチンによる副反応や接種年齢による発生頻度の比較を進めている。特に9-11歳時に任意接種で行われているおたふくかぜワクチンが起因となって発生していると予想される無菌性髄膜炎については、正確な記述疫学を行いリスク評価を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
近年、複数のワクチンの同時接種が積極的に行われ、副反応に対する因果関係が複雑化している。ワクチン接種後副反応との因果関係について解析する為、得られた臨床情報について国際的に副反応の評価手法として用いられているブライトン分類を積極的に利用しワクチンのとの関連性について評価を試みる。また、それぞれの同時接種ワクチンについて、おたふくかぜワクチンの無菌性髄膜炎やツベルクリンによる蜂巣炎やリンパ節炎等、高い関連性が疑われる事例については、頻発症状としてリスト化できるか試みる。また、他要因を除外するために、除外診断検査項目の検索および検査方法の開発を進める。
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Causes of Carryover |
コロナウイルス発生により、緊急事態宣言が想定よりも複数発出され、経理処理が滞り決裁ができなかったが、研究計画は当初の計画通り実施しており、今年度は研究計画通り実施できる予定である。
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