2021 Fiscal Year Research-status Report
飲食物の微生物汚染と胆嚢がん発症の関係及び本症早期診断のための血液検査体系の確立
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19K10607
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
生駒 俊和 新潟大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (60612744)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土屋 康雄 新潟大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (60334679)
浅井 孝夫 順天堂大学, 医療科学部, 准教授 (60612736)
中村 和利 新潟大学, 医歯学系, 教授 (70207869)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 胆嚢がん / インド / 胆道系血液検査項目 / 腫瘍マーカー / アフラトキシンB1 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は本研究の最終年度に当たり、2020年度に予定していたバナラス・ヒンドゥー大学(BHU)、医学部、外科学教室教授のProf. Puneetから胆嚢がん患者100名、胆石症患者100名、及び健常者100名から採取した血清試料を受け取り、胆道系の検査項目として総ビリルビン、直接ビリルビン、アルカリフォスファターゼ、γGT、AST、ALT、腫瘍マーカー他の項目としてCEA、CA19-9、Span-1、DUPAN-2、CRP、アルブミンの測定を行うことと、2021年度に予定していた血清中アフラトキシンB1濃度を測定することであった。 しかし、2021年度内にインドから日本への試料輸送許可の承認がインド政府内のインド医療評議会(Indian Council of Medical Research: ICMR)から得られなかったためこれらの測定はすべてできなかった。また、インド研究者からの報告では、2021年10月時点で、胆嚢がん患者から30件、胆石症患者から40件の血清試料を採取しているとの連絡を受けたが、これ以降は現在までに採取した試料数に関する報告はなく、採取した試料数を確認できない状態となっている。 試料採取が遅れている原因として、採取した試料をインドから日本への輸送許可をICMRから得ることができないために、採取が滞っているものと考えられる。2020年頃から、インド政府は、インドで可能な生体試料を用いた解析はインドで実施することを原則とする方針を打ち出したためである。当初予定していた検査項目のうち、インドでは測定不可能の項目がいくつかあるので、それらの項目だけでも実施可能か、研究期間を1年延長して、再度ICMRへの申請をお願いする予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2019年度から2020年度に予定していたインド北部の胆嚢がん患者、胆石症患者、及び健常者からの血液採取が新型コロナウィルス感染の蔓延により病院業務が限定され、胆嚢がん患者や胆石症患を診断する機会が減ったため、これらの患者及び健常者から血液を採取することが困難であった。さらに、2021年度に入り、感染力が強いインド型変異ウィルスが蔓延し、患者や健常者から血液を採取することが難しい状態であった。 さらに、採取した試料をインドから日本へ輸送するためのICMRの承認が得られず、2020年と2021年度予定の研究は進展せず停滞していた。このため、これまでに本研究による成果は、2019年度に実施した胆嚢がん患者宅の井戸水中に生息している細菌叢の検索のみとなっている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究期間の延長が承認された2022年度の計画は、インドから日本への試料輸送の承認をICMRから得ること。インドから日本への試料輸送の許可が得られたら、入手した試料を使い、血液化学検査や血清アフラトキシン B1濃度の測定を行うことである。 予定していた、胆嚢がん患者100名、胆石症患者100名、健常者100名からの血液採取が達成できたとしても、インドから日本への試料輸送許可がICMRから得られなければ、日本で測定することは不可能である。インド国内での測定も考えたが、Span-1、DUPAN-2、及びアフラトキシンB1濃度測定を受託できる検査機関はインド国内には無く、一般的な血液化学検査項目の料金も日本より高額のため、インドでの測定は断念せざるを得ない。インド国内で測定不可能なSpan-1、DUPAN-2、及びアフラトキシンB1の濃度測定に絞って、再度、ICMRに申請することをインド研究者にお願いする予定である。 インドから日本への試料の輸送許可が得られ次第、血液化学検査、血清アフラトキシンB1濃度の測定を実施する。測定後の全てのデータを専用のコンピュータに入力し、統計解析ソフトSTATA (ライトストーン社)で解析する。胆嚢がん患者、胆石症患者、健常者の3群間の値の比較や、各検査結果、及び測定した項目の組み合わせ検査結果で胆嚢がんをどの程度的確に診断できるかを明らかにする。さらに、本研究で得られた成果を還元するため、論文執筆し英文医学雑誌に投稿する予定である。
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Causes of Carryover |
2020年度と2021年度に予定していた、胆嚢がん患者100名、胆石症患者100名、健常者100名からの血液採取が遅れており、2021年末までに30~40例の血清試料を採取したのみである。このため、2020 年度と2021年度に予定していた全ての項目の検査が実施できず、その額が未使用として残り次年度の使用となった。試料採取の遅れに加えて、ICMRから試料をインドから日本への輸送許可の承認が得られず、測定ができない状態となっている。このため、研究期間延長を申請し、承認されたので、残りの1年間でICMRの承認が得られれば、結果を得て、解析を実施する予定である。 2022年12月末までにICMRの承認が得られない場合は、12月にインドを訪問して、本研究で予定していた検査項目の測定可否の最終決断を行い、測定不可能となった場合は、残額をすべて返却する予定である。
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Research Products
(2 results)