2021 Fiscal Year Annual Research Report
Effects of microplastic-derived chemicals on functions of regulatory T cells via nuclear receptor Nr4a.
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19K10611
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
小島 弘幸 北海道医療大学, 薬学部, 教授 (10414286)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武内 伸治 北海道立衛生研究所, その他部局等, 主幹 (20414287)
室本 竜太 北海道大学, 薬学研究院, 准教授 (30455597)
寺崎 将 北海道医療大学, 薬学部, 准教授 (10391195)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | マイクロプラスチック / 核内受容体 / AhR / 制御性T細胞 / ベンゾトリアゾール系UV吸収剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、マイクロプラスチックによる海洋汚染が深刻化している。プラスチックには様々な添加剤が含まれており、光安定剤としてベンゾトリアゾール系UV吸収剤(BUVSs)が広く使用されている。しかしながら、これらの化合物に関する毒性学的作用については不明な点が多い。 昨年度までの本研究では、13種類のBUVSsのうち4物質が受容体型転写因子であるアリルハイドロカーボン受容体(AhR)を活性化させることを明らかにした。特にUV-PSとUV-Pをマウスに経口投与したところ、制御性T細胞(Tregs)の分化を促進することを認めた。 今年度は、マウス脾細胞を用いたin vitro Tregs誘導試験において、UV-PSとUV-Pを24時間曝露し、CD4+ CD25+ Foxp3+ Tregsの存在率をフローサイトメトリーにより解析した。さらに、Tregs誘導に対するAhRアンタゴニストの影響を調べた。UV-PSとUV-Pをマウス脾細胞にin vitroで曝露し、Tregs存在率を調べた結果、両物質は有意にTregsを誘導するとともに、in vivo試験と同様にUV-PSはUV-Pに比べて低濃度でTregsを誘導することが明らとなった。さらに、それらの誘導は選択的AhRアンタゴニストで抑制されることを認めた。以上の結果より、プラスチック添加剤であるUV-PS/-Pは、AhR活性化を介してTregs誘導を惹起し、免疫系に対して抑制的に作用することが示唆された(Kubota et al., 2022, Ecotoxicology and Environmental Safety, 238, 113549)。 今後は、T細胞株にUV-PSを曝露し、マイクロアレイを用いた網羅的遺伝子発現解析において、より詳細なTregs誘導機構を調べる予定である。
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Research Products
(14 results)