2019 Fiscal Year Research-status Report
The effects of fluoride on central nervous system from the standpoints of difference of sensitivity
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19K10612
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Research Institution | National Defense Medical College |
Principal Investigator |
角田 正史 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 衛生学公衆衛生学, 教授 (00271221)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | フッ素 / ラット / 行動学試験 |
Outline of Annual Research Achievements |
フッ素の環境、特に地下水の汚染による生体影響について、今までの研究においては懸念されているものの明らかになっていない神経系の影響を明らかにするための基礎的資料を得るため、本研究は立案された。成獣の雄、雌のWistar ラットを用いて、一群10匹として8週間、飲み水を介したフッ素曝露(曝露濃度、フッ素イオン濃度として0 ppm, 50 ppm, 100 ppm, 150 ppm)を8週間行い、曝露期間終了後、一日目の午前中にオープンフィールド試験、翌日にPrepulse inhibition testによる評価を行う動物実験を行うための、実験室の整備を行った。オープンフィールドの設定(動物行動監視カメラシステムの設置含む)および、Prepulse inhibition testに用いる聴性驚愕反応装置設置のためのスペースの確保を行った。スペースの確保の過程で、残置されていた不要化学物質の廃棄、破損実験器具(水銀含有)による水銀の実験室汚染の除去を行い、また水銀に汚染された破損実験器具の廃棄を専門業者に委託して行った。実験計画については、所属研究機関の認可を得、また実験室についても、動物実験室の認可を得た。動物実験施設と協議して、飼育スペースの確保、不足物品(給水瓶)の購入、飼育期間における注意事項の確認を行った。実際の飼育開始時期は、次年度に持ち越すこととした。行動学試験終了後のサンプル採取による脳各部位(大脳、小脳、延髄、中脳、線条体、海馬、視床下部)の神経伝達物質及び代謝産物の定量のための高速液体クロマトグラフィーの整備は行った。また実験条件設定の過程において、先行論文を精査し、そのまとめをフッ素に関する共同研究者の論文に生かした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
動物実験を行う場所として実験室の整備を行ったが、その過程で、実習準備室から動物実験室に転用できるようにしたため、過去30年にわたる不明物質の廃棄、破損器具からの水銀漏出の汚染に対する除染及び器具の廃棄などが必要で、専門業者へ委託などして時間を要した。実験室の動物実験室としての整備が終わったが、実験を年度内に開始しようと計画したが、コロナウイルスの流行が徐々に深刻化し、動物実験はなるべく控えるように要請があったために、流行がある程度おさまると想定された年度明けに動物実験を開始することとした。
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Strategy for Future Research Activity |
非常事態宣言解除に伴い、6月より、まず雄の8週間投与実験を開始する。8月に行動学試験は終了する予定である。10~12月に雌の8週間投与実験を行う。並行して、脳各部位の神経伝達物質及び代謝産物の定量、大脳中のフッ素濃度定量を行う。実験結果の統計解析、学会発表も9月以降に行う。来年度となる最終年度に、研究計画では二年度目に予定していた二世代曝露実験、最終年度に予定していた腎機能悪化モデルとしての尿管結紮ラットに対する曝露実験を行い、予定していた実験を終了する。
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Causes of Carryover |
実験室の整備(破損器具からの水銀漏出の処理、破損器具廃棄含む)、コロナウイルス流行状況による実験自粛により、実験開始を延期したために、当該助成金が生じた。次年度は2回の投与実験を行い、また予定動物実験の準備を行い、実験スケジュールを計画に近づける。
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Research Products
(2 results)