2020 Fiscal Year Research-status Report
小児脳炎における疫学調査および自己抗体の網羅的解析
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19K10613
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Research Institution | Fukuoka Children’s Hospital |
Principal Investigator |
チョン ピンフィー 地方独立行政法人福岡市立病院機構福岡市立こども病院(臨床研究部), 臨床研究部, 医師 (90835167)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 康成 九州大学, 医学研究院, 准教授 (10380396)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 小児 / 急性脳炎 / 急性脳症 / 自己免疫性脳炎 / 中枢脱髄性疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
小児期発症の脳炎は重篤な神経学的後遺症を残す疾患であるが、原因不明な症例がまだ多いのが事実である。ウイルスや細菌に起因する感染性のもの以外、特異的抗体による自己免疫性疾患、中枢脱髄性疾患による非感染性の原因も脳炎・脳症の原因となり得る。 我々は全自動遺伝子解析法を用いたFilmArray髄膜炎・脳炎パネルでウイルス性脳炎の病原体検索を行い、一部の症例の脳脊髄液検体より病原体を同定することができた。自己免疫性脳炎の既知抗体のスクリーニングが必須と考え、昨年度にGFP検出システムを用いた細胞ベースアッセイ法で実験系を立ち上げた。NMDA受容体を初めとする約6種類の自己免疫性脳炎に対する既知の自己抗体を検出可能であることを確認した。同じ実験系を用いて、近年小児の中枢脱髄性疾患と関連性が報告されている抗MOG抗体を患者血清より確認することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
使用しているGFP検出システムを用いた細胞ベース検査キットは海外輸入のものに依存している。キット・試薬などの選定、発注から使用開始までに昨年度の新型コロナウイルス感染の時期重なり、遅れが生じていた。また、新型コロナウイルス感染症の影響で小児の発熱性疾患、そして中枢神経感染症が激減している。それに伴い、小児脳炎の治療に携わる他の医療機関との連携構築にも遅れが生じていた。
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Strategy for Future Research Activity |
ウイルス検索、既知自己抗体の検出に必要な実験系の準備が整いつつであるため、今年後は本格的に調査開始を計画している。この調査は小児医療機関の多施設、前向きコホート研究を考えているため、福岡県内、そしてできれば九州の協力病院に協力要請が必要である。研究代表者、研究協力者は福岡小児神経研究会、日本小児神経学会九州地方会の事務局を務めており、福岡県内、九州各県の小児脳炎を管理できる二次病院、三次病院の小児科責任者に協力要請しやすい状況である。今後は各関係者に協力要請を行い、協力を頂いた施設の倫理委員会の審査を得てから本格的に疫学調査を開始する計画である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染のため、研究の打ち合わせはほぼオンライン上で実施しており、旅費を使用しなかった。また、細胞実験はまだ微調整の段階にあるため、人件費・謝金にあまりが生じた。今年度に本格的に疫学調査が始まる予定で、人件費・謝金に研究費を充てる。疫学調査が始まれば細胞実験も順次に開始し、消耗品などの物品購入を予定する。
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Research Products
(8 results)