2021 Fiscal Year Research-status Report
NAFLD経過における脂肪肝表現型と肝線維化に関する研究
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19K10624
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
指宿 りえ 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 助教 (90747015)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
嶽崎 俊郎 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (50227013)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | NAFLD / 肝線維化 / PNPLA3 / FIB4 index / 遺伝子多型 / 交互作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
横断研究において、NAFLDにおける肝線維化に対するPNPLA3遺伝子多型C/G多型(rs738409)と脂質異常症との有意な交互作用が認められ、第一報として報告した。そこで、前向きに環境要因と遺伝的要因との関連について検討するために、更にベースライン時での解析対象者数を増やして、M6SF2遺伝子多型のC/T多型(rs58542926)とPNPLA3遺伝子多型のC/G多型(rs738409)についてTaqMan PCR法で解析を行った。追加の解析結果を加え、第二報として、PNPLA3遺伝子多型のC/G多型(rs738409)を用いて、NAFLDの肝線維化に対する環境要因と遺伝的要因の間の交互作用について横断研究を行った。 対象者は、2005~2006年に日本多施設コーホート研究の鹿児島県島嶼地域におけるベースライン調査に参加した健診受診者で、腹部超音波検査で脂肪肝と判定され、調査票、健診情報、DNAがあるもののうち、genotypeが同定できない、アルコール摂取量が男性で30g/日以上、女性で20g/日以上、ウイルス性肝炎を除外した35~69歳の男女825名(男404名、女421名)である。宿主要因はPNPLA3のC/G多型(rs738409)をTaqMan PCR法で解析した。肝線維化の指標はFIB4 indexを用い、1.30以上を肝線維化ありと定義した。肝線維に対するオッズ比(OR)と交互作用はロジスティックモデルを用いて見積もり、性と年齢、関連要因で調整した。 NAFLD対象者の平均年齢は55.4歳で、肝線維化ありは43.8%であった。PNPLA3遺伝子多型CC&CG群に対するGG群の肝線維化のオッズ比は上昇していた(1.53,1.06-2.20)。高血圧ありに対する肝線維化のORは、CC&CG群で0.96(0.60-1.53)、GG群で2.87(1.29-6.41)であり、交互作用(p=0.048)が認められた。脂質異常症に関しても、CC&CG群で0.66(0.41-1.06)、GG群で2.87(0.92-4.68)であり、交互作用(p=0.015)が認められた。NAFLD肝線維化において、PNPLA3遺伝子多型と高血圧及び、脂質異常症との交互作用が認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の予定より、ベースライン時での対象者の数を大きくしたため、新たにDNA抽出を行い、PNPLA3遺伝子多型とTM6SF2遺伝子多型についてTaqMan PCR法で解析を行うなど、解析に時間がかかった。ケースコントロール研究として前向きに肝線維化進展に関わる環境・宿主要因及び、交互作用について検討するために、横断的と前向きの両方で検索するためのデータベース作成を完了した。横断研究に関する論文を1つ投稿中である。
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Strategy for Future Research Activity |
TM6SF2遺伝子多型のC/T多型(rs58542926)を用いて、NAFLDの肝線維化に対する環境要因と遺伝的要因の間の相互作用について横断研究を行う。次に、PNPLA3遺伝子多型のC/G多型(rs738409)とTM6SF2遺伝子多型のC/T多型(rs58542926)を用いて、ケースコントロール研究として前向きに肝線維化進展に関わる環境・宿主要因及び、交互作用について検討する。結果を学会、論文等で発表した後に、全体の結果を市町村やホームページなどを通じて、広報し、フィードバックする。
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Causes of Carryover |
研究を行うための追加の実験、解析の実施と、学会参加、論文投稿費用のために必要である。
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Research Products
(2 results)