2019 Fiscal Year Research-status Report
がん患者における診断から治療開始までの期間の格差と規定因子
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19K10630
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
西野 善一 金沢医科大学, 医学部, 教授 (70302099)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | がん / 医療の質 / 待機期間 |
Outline of Annual Research Achievements |
がんの診断から治療開始までの待機期間はがん医療の質を評価するプロセス指標の1つであり、待機期間が長くなることは患者の不安を増大させるだけではなく、予後にも影響するとの報告がある。わが国でも今後がん診療連携拠点病院への治療の集約化や医師不足の進行等に伴って待機期間が延長する可能性があるが、わが国におけるがん患者の診断から治療開始までの期間の現状、施設間、地域間の格差の有無、さらには待機期間と関連する施設、患者要因は明らかではない。本研究では、北信4県の拠点病院等における院内がん登録データおよびDPC調査データから構成される北信地域がんデータベース、ならびに国立がん研究センターが収集している全国の拠点病院等の院内がん登録データであるがん診療連携拠点病院等院内がん登録全国集計データのいずれも2016年と2017年の診断症例を用いて、診断日から治療開始日までの期間を求めた上で長期待機と関連する施設、患者特性を明らかにすることを目的とし、医療の質の改善に寄与することを目指すものである。 これまでに関連する研究の情報収集を行い具体的な研究計画を立案した上で、研究代表者が所属する金沢医科大学医学研究倫理審査委員会に研究倫理審査の申請手続を行った。また解析用データの提供窓口である北信がんプロ事務局ならびに国立がん研究センターとの間でデータ利用申請および提供方法に関する打ち合わせを行った。今後、倫理審査委員会の承認が得られればデータ入手に関する手続きを進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和元年度は、北信地域がんデータベースを用いた解析を実施する前に同データベースの協力施設の1つであり研究代表者が所属する金沢医科大学のデータを用いて予備的な解析を実施する予定であったが、金沢医科大学医学研究倫理審査委員会の承認が現在のところ得られていないため行うことができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
金沢医科大学医学研究倫理審査委員会の承認が得られ次第同大学のデータを用いて予備的な解析を行うとともに、引き続き当初の計画に従って北信地域がんデータベースを用いた解析ならびにがん診療連携拠点病院院内がん登録全国集計データを用いた解析を実施する。
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Causes of Carryover |
今年度予定していた金沢医科大学の院内がん登録およびDPCデータを用いた解析に着手することができず実データでの解析を行わなかったために次年度使用額が生じた。次年度は実データによる解析を今年度に計画していた内容も含めて実施し、そのために当該助成金を使用する。
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