2020 Fiscal Year Research-status Report
認知症は人から人へ伝播するか? 地域高齢者コホートにおける実証的縦断研究
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19K10639
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
森田 彩子 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 講師 (30595038)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 武男 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (80510213)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 認知機能 / 類似性 / 社会的ネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
2年目にあたる今年度、申請者を中心とした研究グループは、ベースラインの質問紙データを認知機能検査データとリンクして「高齢期の親密な社会的ネットワーク」の特性について検討を行った。具体的には、人間関係を強く規定すると過程としてホモフィリー現象(人は同じような属性や価値観を持っている人とつながろうとする傾向、一般的に類は共を呼ぶと呼ばれる現象)に着目し、地域高齢者における悩みごとや困りごとを相談をする家庭内外の結びつきの確率を、教育歴および加齢と共に大きく変化する6つの認知機能の状態から推定した。結果、認知障害を予測する論理的記憶力が類似しているほど、参加者内で親密性の高い関係性を築く確率が高かった。一方、遅延再生能力については異類性(能力に差があるほど関係性を築く確率が高い)傾向が認められ、教育歴、見当識、即時記憶力、時計描画、語想起については統計的に優位な関連を認めなかった。また、認知症高齢者によく観察される精神神経症状に着目し同様にホモフィリー現象の解析を行なったところ、アパシー(無気力・無関心)の類似性が認められた。これらの結果により、高齢期の親密性な社会的ネットワークには、論理的記憶力およびアパシーが類似するものたちで構成されていることが示唆された。最終年度は、認知機能や精神神経症状に加え、脳構造にも着目し、親密性な社会的ネットワークが高齢期の認知症リスクに与える影響およびそのパスを解明していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナの影響により、追跡調査が実施できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
もともと計画していた地域高齢者の疫学調査に加え、現存する地域高齢者の横断・縦断データを複数解析していく。
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Causes of Carryover |
コロナにより予定していた追跡調査が実施できなかった
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Research Products
(3 results)