2023 Fiscal Year Research-status Report
認知症は人から人へ伝播するか? 地域高齢者コホートにおける実証的縦断研究
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19K10639
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
森田 彩子 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 准教授(キャリアアップ) (30595038)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 武男 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (80510213)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 社会的ネットワーク構造 / 健康的な環境を作る意欲 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者を中心とした研究グループは、社会的ネットワークの構造的特性のうち、多様性が人々の思考や行動にどのように影響するかについて検討を行った。大手インターネット調査会社を通じて性別と年齢に基づく層別無作為抽出した全国の18歳~79歳の男女12147人を対象に、社会的属性(年齢や性別、人種など)が似通っている/異なる人との交流状況、健康的な環境作りに対する意欲(環境スチュアードシップ)について、オンライン質問紙調査を実施した。分析の結果、どの社会的属性においても、似通っている人との交流がある人の割合が、異なっている人と交流がある人の割合を上回っており、最も多い交流の相手は、同じ性別、次に同年代であることが明らかになった。また、交流の相手として違う人種や異なる価値観を持った人は、割合が少なく、特に異なる人種と異なる価値観を持った人との交流は、割合はそれぞれ10%弱であった。社会的属性が均質なメンバーとの交流、および異なるメンバーとの交流は、それぞれ独立して環境スチュワードシップと正の関連があることが示された。しかし、メンバーとの交流において、社会的属性が均質な場合と異なる場合では、環境スチュワードシップとの関連性が異なることが示された。社会的属性が均質なメンバーとの交流では、一般的に浸透している行動と関連があったが、浸透率の低い行動とは関連がないか、逆に負の関連があることが示された。一方、メンバーの多様性は、一般的に浸透している行動とは関連がないものの、浸透率の低い行動と関連があることが示された。このことから、同質性の高いコミュニティだけでなく、多様性の高いコミュニティを構築することが、社会的資源の循環や健康的な環境を作る意欲の浸透に重要である可能性がある可能性が示唆される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナ感染症による現場業務逼迫等の理由により、介護認定及び死亡データを入手することは叶わなかった
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度を最終年度として介護認定及び死亡データを入手する予定である
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Causes of Carryover |
コロナ感染症による現場状況の逼迫により、介護認定及び死亡データとの連結ができなかったため
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Research Products
(4 results)