2021 Fiscal Year Research-status Report
ストレスチェックに基づく休職等予測モデルの作成およびそれに関連する解析
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19K10643
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
川村 孝 京都大学, 環境安全保健機構, 名誉教授 (10252230)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大久保 靖司 東京大学, 環境安全本部, 教授 (00301094)
小林 大介 京都大学, 環境安全保健機構, 助教 (00764911)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ストレスチェック / 休・退職 / 教職員 / 多変量解析 / 予測モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
22の大学の教職員を2016-2019年度の4年間観察し、観察期間は141,025人・年であった。死亡退職者は79人(うち精神疾患による死亡者は10人)、休職者は814人(うち精神疾患による休職者は540人)であった。精神疾患による休・退職者のうち、休・退職前にストレスチェックが行われた203例を症例として、また各症例に性・年令・職種をマッチさせた377例を対照として登録した。 症例群において、年齢は中央値で40歳、性別は男性が101人(49.8%)、職種は教員が25人(12.3%)、技術職員が70人(34.5%)、事務職員が100人(49.3%)、その他が8人(3.9%)であった。厚生労働省「労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル」の基準における高ストレス者は、合計評価点を用いた場合は症例群で78例(38.4%)、対照群で49例(13.0%)、素点換算表を用いた場合は症例群で67例(33.0%)、対照群で43例(11.4%)であった。 対象者を2016-2017年度に登録された者と2018-2019年度に登録された者に二分し、前者をderivation sample、後者をvalidation sampleとした。derivation sampleにおいてストレスチェックの各項目の回答(それぞれ4段階)と精神疾患による休・退職(有無)との関連についてロジスティックモデルを用いて多変量解析を行ったところ(調整因子は年齢、性別、職種)、「職場の仕事の方針に自分の意見を反映できる」および「家庭生活に満足だ」の両項目にあまり該当しないこと、「ひどく疲れた」「落ち着かない」「悲しいと感じる」によく該当することがリスク因子(オッズ比1.53~1.80)に、「イライラしている」によく該当することが防御因子(オッズ比0.56)であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の流行により、参加大学の産業医(学校医)が対策に追われてデータの収集や整理、提出が遅れたこと、一部のデータについて提出元で確認を行ったことによる。
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Strategy for Future Research Activity |
多変量解析の結果をもとにderivation sampleで予測モデルを構築し、validation sampleでその妥当性を検証する。産業保健の現場で使える最終的な予測モデルを作成して提案し、当該予測モデルの活用法について提言する。
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Causes of Carryover |
2020~2021年度の新型コロナウイルス感染症の流行により、研究の遂行が遅れたこと、また成果報告会の開催が困難になったことにより、経費の執行が先送りとなった。 2022年度に、論文の英文校閲、投稿・掲載費、ならびに成果報告会開催費に充当する予定である。
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