2021 Fiscal Year Research-status Report
Parent-child sleep improvement application development by growth hack theory and its epidemiological verification
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19K10645
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
笹澤 吉明 琉球大学, 教育学部, 准教授 (50292587)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
姜 東植 琉球大学, 工学部, 准教授 (00315459)
小林 稔 文教大学, 教育学部, 教授 (70336353)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 睡眠 / 児童 / 親子 / 介入研究 / 睡眠改善アプリ / eラーニング / 睡眠教育 / 睡眠日誌 |
Outline of Annual Research Achievements |
睡眠改善アプリ「SLEEP ANGEL」デモ版による介入研究の解析及び、新たな睡眠習慣に特化し、親子で取り組める睡眠改善アプリ「SLEEP ANGEL」アカデミック版の開発とその実証実験を遂行した。デモ版はiOS版とAndroid版の両方作成し、睡眠習慣及びその他の生活習慣がモニタリングできる睡眠日誌機能と、睡眠科学が学べるeラーニング機能がバンドルされ、一週間の睡眠日誌の記録から、睡眠改善のフィードバックが自動的に返され、その内容と関連のあるeラーニング教材にリンクできる仕組みになっている。また、利用者の動機を高めるために睡眠習慣やその他の生活習慣から独自に作成した「睡眠力」の得点もフィードバックした。コロナ禍におけるデモ版の小学生への4週間の介入の結果、介入校の児童は睡眠の規則性、睡眠の質、自尊感情が有意に改善した。アカデミック版は、これまでの睡眠日誌機能の就寝起床の入力を大幅に簡便化し、就寝起床時をワンタッチ機能で入力できるようにした。その他の食習慣、運動習慣、学習習慣等の生活習慣の記録は割愛し、eラーニングの教材も睡眠習慣に特化した内容を厳選し、睡眠日誌のフィードバック機能にeラーニング教材をハイパー機能でリンクした。アカデミック版は親子で取り組めるアプリとした。実証実験では、沖縄県内公立小学校3校を対象に、アプリのダウンロードを推奨したQRコード付きのチラシを配布し、自由参加を募ったが、全体の2%程度のダウンロードが確認された。利用者からは概ね高評価を得たが、ポピュレーションアプローチを図るには課題が残った。コロナ禍での睡眠習慣の重要性をわかりやすく解説したリーフレットを作成し、その中に睡眠改善アプリ「SLEEP ANGEL」アカデミック版のダウンロード用のQRコードを紹介し、沖縄県教育委員会を通じて県内全ての小学校に配布し紹介した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「SLEEP ANGEL」デモ版のコロナ禍における小学生への介入効果のエビデンスを得ることができた。特にコロナ禍において、スクリーンタイムの増加による就寝時刻の遅延などが世界的に問題となっており、なおかつ活動制限や友人とのコミュニケーションの減少から、自尊感情悪化などのメンタルヘルスへの影響が問題となっているが、本アプリを使用することで、睡眠の規則性や睡眠の質が向上し、なおかつ自尊感情の改善も促せる結果となったのは意義深い。また、アカデミック版においては入力機能の大幅な改善及び親子で取り組めるアプリを開発できたことも有用である。しかしながら、自由参加を促した場合、2%程度のダインロード率であることから、睡眠教育の必要性が浮き彫りとなった。沖縄県教育委員会を通じて全小学校にアプリを紹介できたのは一定の成果である。SNSへのリンケージ機能やeラーニングのロールプレイ化などの課題が残った。また、コロナ禍の影響で、台湾版と韓国版の作成と実証実験の課題は依然残った。
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Strategy for Future Research Activity |
アカデミック版の更なる改善と、全ての機能を充実させかつ幅広い年代に活用できるプロフェッショナル版の作成を進める。プロフェッショナル版は従来通り、食習慣や運動習慣や学習習慣やスクリーンタイムなど日中の生活習慣をモニタリングし、睡眠日誌機能のフィー ドバックには生活習慣全般に対するアドバイスを含め、それに付随するeラーニングの教材も充実させる。また、eラーニング機能にはロールプレイゲーム方式の 仕掛けを設け、ゴールである睡眠マスターを目指すコンテンツにしたい。また、アプリ全体に睡眠博士のキャラクターを存在させ、生活習慣を促すアラート機能や、ロールプレイゲーム方式のeラーニングの水先案内人の役目を担ってもらい、ユーザーに親近感のあるアプリに改善する。新型コロナで国際研究が難しい状況ではあるが、何とか台湾版と韓国版を完成させ、両国の小学校で実証研究したい。
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Causes of Carryover |
新型コロナのパンデミックの影響で、台湾や韓国への訪問ができず、予定していた旅費の執行ができなかった。パンデミックが収束し次第、カウンターパートへ の訪問を行いたい。しかしながら、これができないとしても、プロフェッショナル版の開発、及びその台湾バージョン、韓国バージョ ンを作成するのに経費が掛かるのでこちらに充当したい。また、これらアプリの実証実験にかかる経費にも充てる予定である。
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Research Products
(6 results)