2020 Fiscal Year Research-status Report
大規模ネットワークメタアナリシスによる抗うつ剤選択最適化への貢献
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19K10661
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小川 雄右 京都大学, 医学研究科, 特定講師 (50535573)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古川 壽亮 京都大学, 医学研究科, 教授 (90275123)
田近 亜蘭 京都大学, 医学研究科, 助教 (80368240)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 臨床疫学 / ランダム化比較試験 / 抗うつ剤 / うつ病 / 系統的レビュー / メタアナリシス |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに構築した大うつ病の急性期治療における21の抗うつ薬のランダム化比較試験の包括的なデータベースを用いて、実施年5年おきにネットワークメタアナリシスを実施した。また、診療ガイドラインを特定し、それらの推奨を抽出した。 更に、5年間隔で米国の処方を調査した。米国での処方が多い抗うつ薬はガイドラインによって推奨されており、診療ガイドラインが推奨するほとんどの薬剤は、今回実施したネットワークメタアナリシスの有効性と受容性において良好な結果を示した。一方、処方の変更は、ガイドラインの変更及びネットワークメタアナリシスの結果の変化とは対応していなかった。ガイドラインの更新頻度の増加が、今後のEBMの向上に必要であると考えられた。また、新たに承認された薬は当初は大きな効果サイズを示すが約10年で効果サイズは減少して安定すること、エビデンスの蓄積によりエビデンス全体の信頼性が向上することを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通りに進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
構築した抗うつ剤の包括的データベースを用いて、各種抗うつ剤の間で、各副作用症状の出現しやすさが相対的にどの程度異なるのか分析を行う。既に明らかにした抗うつ剤ごとの有効性・受容性の順位付けに加えて、新たに各抗うつ剤間における各種副作用頻度の比較を行い、有効性、受容性、副作用のバランスの取れた、真に推奨すべき抗うつ剤を明確にする。
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Causes of Carryover |
参加予定だった国際学会(The 27th Cochrane Colloquium)が新型コロナウイルス感染症の影響により次年度に延期となったため。
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