2019 Fiscal Year Research-status Report
日米間の代謝プロファイルに基づくBMIを表現する代謝マーカーの解明
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19K10669
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
栗原 綾子 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 共同研究員 (40645470)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 成 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (10738090)
竹内 文乃 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (80511196)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 肥満 / メタボローム解析 / 前向きコホート研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、メタボローム解析により、肥満や心血管代謝特性を表現することが可能となりつつある。アメリカ人一般集団においては、BMIは芳香族アミノ酸や分岐鎖アミノ酸などと関連し、またBMI、腹囲、インスリン抵抗性、脂質異常はその疾患を表現する代謝物が重複していることが報告された(Ho JE et al. PLoS One 2016)。本邦では、HbA1c(NGSP)値が6.5%以上で定義した「糖尿病が疑われる人」は12.1%と、1997年以降右肩上がりで推移しており、肥満度の推移は変わらずも、内分泌代謝疾患への影響が深刻化している(平成28年国民健康・栄養調査結果)。 本研究は2012年より山形県鶴岡市において開始された前向きコホート研究(「鶴岡市民を対象とした地域コホート研究」、以下鶴岡メタボロームコホート研究とする)であり、11,002名の参加者を得て、2018年度現在もフォローアップ調査を継続中である。疫学研究チームとメタボローム解析チームの融合型研究組織を構築し、本学先端生命科学研究所が開発したCE-MS 法によるメタボローム解析技術を用いている。これまで、BMIや腹囲周囲径、内臓脂肪蓄積量、インスリン抵抗性などの肥満関連因子とメタボローム解析の関連を検討し、これら4つの肥満関連因子に共通する肥満判別マーカー候補を検討してきた。本研究は、日本人一般集団における繰り返し測定した代謝物を用いて、BMIとMIの変化を表現する代謝物質の解明を目的とする。同時に、アメリカで実施されている同様の地域疫学研究集団との比較を行い、日米間のBMIを反映する代謝物の詳細についても検討する。 2019年度は、必要な情報を持つ対象者600名を性・年齢をマッチングして抽出し、血漿検体の脂質メタボローム測定を実施する。本研究で必要なデータを初年度中に揃えるため、2回目測定である2015年度血漿検体の脂溶性メタボロームを測定する。米国一般集団と同様の委託による測定手法とする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2019年度は、必要な情報を持つ対象者600名を性・年齢をマッチングして抽出し、血漿検体の脂質メタボローム測定を実施することを予定していた。具体的には、本研究で必要なデータを初年度中に揃えるため、2回目測定である2015年度血漿検体の脂溶性メタボロームを測定すること、また、測定手法は、米国一般集団と同様の委託によるものを予定していた。この外部委託による測定先とその測定方法について、精度等において検討を要することが生じたため、検体測定の開始が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
脂質メタボロームの委託測定について、米国一般集団と同様の委託によるものを予定しているが、外部委託による測定先とその測定方法について、精度等詳細に検討し測定を実施する。一方で、新型コロナウイルスの流行拡大による社会状勢も踏まえて、検討は測定だけではなく幅広に実施することとする。
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Causes of Carryover |
測定委託の実施が遅れているため、測定予定の使用額が次年度使用額となるため。
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