2021 Fiscal Year Research-status Report
アミロイドβのクリアランス指標に関する地域疫学研究-横断・縦断的検討-
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19K10676
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
東山 綾 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (20533003)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | アミロイドβ / 一般住民集団 / コホート研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
21年度は新型コロナウイルス感染症の影響で、コホート研究の調査実施のために研究対象者に集合頂くことが困難なコホート研究もあり(神戸、篠山)、もしくは既に検体が存在するコホート研究についても打ち合わせのために、検体の状況確認などを目的とした出張が困難であった(吹田)こともあって、検体を使用した測定や調査の実施はできなかったため、研究費の使用期限を1年間延長し、承認された。 22年度の実施に向け、測定を計画していた3項目については、現在9項目で一般にも向けたサービスが提供されていることが明らかになった。従って測定予算の観点から、測定対象とする集団と人数を再検討し(人数を少なく設定して、3項目測定から9項目測定に対応するため)、測定会社の実施するサービスについて詳細な調査を行い、測定対象集団のコホート研究の責任者や測定会社との打ち合わせを行った。 認知機能の障害には、循環器病も関与することから、吹田研究にて空腹時中性脂肪値と虚血性循環器病との関連を論文化し、日本動脈硬化学会の学会誌へ掲載された。わが国の一般住民集団において、LDLコレステロール値を調整しても、空腹時中性脂肪値と虚血性循環器疾患との関連が有意なものであることを示した初めての研究である。認知機能の維持のためには、循環器病の予防も重要な一手段であることを考えると、中性脂肪値についても今後留意する必要がある可能性を示したものと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の影響で、対象集団に集合いただいての調査研究は実施できず、また既存検体の状況確認等を目的とした出張も困難であった。
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Strategy for Future Research Activity |
ここ数年で、予定していた3項目測定を実施している検査会社が、これまでの検討結果を反映して9項目でのセット検査へ拡張しており、予算計画が大幅に異なってきたため、縦断研究ではなく、ピッツバーグ大学との共同研究でアミロイドPETのデータと相関を検討できる住民集団での凍結検体を利用した横断的な検討に計画を改めた。 現在、測定実施に向けて、対象となる住民集団での疫学研究を実施している責任者、および検査の測定会社と打ち合わせをすすめ、また倫理審査委員会への測定項目追加に向けた事務手続きを実施しており、年度内に測定を実施する。測定結果が得られた後には、ピッツバーグ大学が所有するデータセットと突合し、同大学もしくは日本側にて統計解析を実施して報告書を作成する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の影響で、一般集団を対象に実施する実地調査研究がことごとく実施できなかったこと、また既存検体を利用した測定についても、打ち合わせや検体の状況確認のための出張ができなかったなどの理由により、当該年度は研究活動の実施が困難であったため。 現在は、現地調査が必要な研究については次年度中ごろから予定しており、また既存検体を用いた測定については打ち合わせが進行中であることから、現地調査と検体測定・解析などを実施する計画である。
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