2020 Fiscal Year Research-status Report
Role of meningeal lymphatics for traumatic brain injury
Project/Area Number |
19K10695
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
島田 亮 東京女子医科大学, 医学部, 准教授 (10376725)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 髄膜リンパ管 / フローサイトメントリ / セルソータ / Microarray |
Outline of Annual Research Achievements |
髄膜リンパ機能の障害は、脳への巨大分子の血管内流入および間質液からの巨大分子の流出を遅らせ、マウスにおける認知障害を誘発すると最近報告されている。脳損傷歴のある者は認知症やアルツハイマー病が罹患しやすいと知られている。脳損傷と細胞老化を特徴とする晩年の認知症やアルツハイマー病と直接結びつくのに限界がある。脳損傷がどのように細胞老化させたかのメカニズムはまだはっきりと分かっていない。ここで、脳損傷は髄膜リンパ機能に悪影響を与え、晩年の認知症やアルツハイマー病に結びつくと考える。本研究は脳損傷後髄膜リンパ管経時的に早期から晩年期までどのように変化しているかと髄膜リンパ管の障害は脳損傷後認知機能に対しどのように関与しているかを解析するという二つの目的である。 1.動物実験。①Impact Deviceを用いて、マウスの外傷性脳損傷を作製。損傷後3日の処置群とSham群をそれぞれ作製する。②サンプルの処理:脳損傷後所定時間に、マウスを深麻酔下、緩衝液を灌流し安楽死させ、硬膜、脳を摘出する。 2.硬膜の髄膜リンパ管細胞の分離。Collagenase Ⅷを用いて、細胞を分離する。標識したPodoplamin抗体で特異的に髄膜リンパ管細胞と反応させ、フローサイトメントリのセルソータの機能を使い、髄膜リンパ管細胞を採取。採取された髄膜リンパ管細胞のRNAを抽出し、網羅的遺伝子発現解析を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
動物実験及び細胞分離の方法は予定通り確定できたが、予想よりマウスの硬膜は薄く、小さく、一匹では十分な細胞数を得られず、予定のRNA量を得るため、時間を要した。また、網羅的遺伝子発現解析の方法について次世代シクエンサーに新たにMicroarrayを加え、検討した。どちらも装置を所有してなく、受託へ依頼するが、最終的に確実にデータを得るため、AffymetrixのMicroarrayを選択した。脳損傷後3日の損傷群及びSham群それぞれn=3のMicroarrayのデータを得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
1.一次スクリーニングの網羅的遺伝子発現解析を行ったが、さらに、二次スクリーニングはRealtime PCRによるmRNA発現を行う。まず、脳損傷後の損傷群及びSham群に網羅的遺伝子発現解析やRealtimePCRで得られたデータを分析し、成果として雑誌へ発表するつもり。 2.さらに、マウスの脳損傷の損傷後、1日、7日、2週間、4週間、12週、24週、48週、72週の処置群とSham群をそれぞれ作製する。サンプルの処理について、脳損傷後所定時間に、マウスを深麻酔下、緩衝液を灌流し安楽死させる。マウスの硬膜及び脳をそれぞれRNA抽出及びタンパク抽出のため処理し、そのサンプルを-80℃保存する。 ①mRNAの発現解析。Realtime PCRを行う。Applied Biosystems のキットを用いて、cDNAへ逆転写し、Applied Biosystems StepOnePlusリアルタイムPCRシステムを利用して定量解析を行う。 ②タンパクの発現解析。ELISAを用いて、①のmRNAから転写されたタンパクの発現解析を行う。mRNAとタンパク発現の相関性を確認する。
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Causes of Carryover |
当初、次世代シーケンサーを用いて、網羅的遺伝子発現解析を行う予定だったが、Microarrayも加え、検討した結果、より確実にデータを得るため、AffymetrixのMicroarrayを選択した。Microarrayにて解析は次世代シーケンサーを用いる解析より、安価になったため、その分、費用が残った。2021年度で使用する。
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