2023 Fiscal Year Research-status Report
幅広い放射線診療に伴う看護師の水晶体線量の詳細な評価及び簡便な線量評価方法の確立
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19K10705
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
小山内 暢 弘前大学, 保健学研究科, 助教 (40514138)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
工藤 幸清 弘前大学, 保健学研究科, 教授 (10214967)
北島 麻衣子 弘前大学, 保健学研究科, 准教授 (70455731)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 職業被ばく / 水晶体 / 線量分布図 / 放射線教育 / 線量評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、看護師をはじめとした医療スタッフのより精緻な水晶体線量評価に資する検討を行った。 本研究課題の遂行により、CT検査介助における医療スタッフの被ばく線量が高いことがこれまでに明らかとなっている。CT検査では、患者や寝台の周りをX線管・検出器が回転しながら撮影を行うため、複雑な散乱X線分布を呈すると考えられる。より適切な防護策を検討するために、今回は、散乱X線の発生源や発生源別の寄与割合を推定することとした。一般に、散乱X線は患者から発生していると認識されているが、今回の検討によって、患者からだけではなく、寝台・ヘッドレストやガントリ開口部のマイラリングからも無視できない散乱X線が発生していることが明らかとなった。CT検査時も天吊り遮へい板が用いられることがあるが、防護板の配置位置を改善する等、散乱X線の発生源を考慮しながら防護策を検討する必要があると考えられた。さらに、立ち位置によっては、患者や装置自体が遮へい体となる場合もあるため、より適切な介助位置を提案できるよう、より詳細な検討を進めたい。 また、職業被ばく管理で用いられる水晶体用線量計とバッジ式線量計の基礎特性評価により、線量評価の最適化に向けたデータ取得を行った。バッジ式線量計の方向依存性は決して小さくはなく、医療スタッフの立ち位置によっては被ばく線量の過小評価となる恐れもあることが明らかとなった。 これらの得られた知見については、学会発表を通じて成果公表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究内容の充実化をはかることができており、研究成果の公表も行うことができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究で網羅できなかった検討を行うとともに、研究成果の公表を行う予定である。また、研究代表者・分担者が担当する放射線防護に関するセミナー等での研究成果の活用・周知にも注力したい。
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Causes of Carryover |
参加を予定していた学術集会等にはオンライン開催となったものもあるため、旅費が不要となり次年度使用額が生じた。この予算を用いて、今後、より精緻な研究を遂行する予定である。
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Research Products
(7 results)