2020 Fiscal Year Research-status Report
Investigating the analgesia caused by tactile stimulus - Challenge to the gate control theory by nursing model
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19K10708
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
深井 喜代子 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (70104809)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大倉 美穂 川崎医療福祉大学, 保健看護学部, 講師 (10259591)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 痛み / 触圧刺激 / ゲートコントロール説 / 月経痛 / 皮膚接触圧 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、本研究を以下のように実施した。 1.本課題研究は、対象者との濃厚接触を伴う介入研究デザインで実施する必要がある。そのため、コロナ禍が収束しない状況では、約3ヵ月に及ぶデータ収集を行うことは不可能であった。よって、所属機関に研究期間延長する研究倫理の変更申請を行い、承認された。 2.本研究では、直径1.5mmの小さなビーズを敷き詰めた粘着テープと皮膚との間に生じる触覚刺激が内臓痛をも軽減するかどうか、そして、さらにその鎮痛とそのメカニズムに迫ることを目的としている。そこで、本課題研究の介入に用いるビーズテープの皮膚接触圧を物理的に計測できるかを検討した。皮膚接触圧計測については、文献等の情報により妥当と思われる機器(小型3軸力覚センサ、薄型タイプ、VSL06-H5、テック技販)を厳選、購入した。本機器は粘着テープに貼り詰めたビーズ群(1個の重さ約40mg)と皮膚の接触面に発生するせん断力を検出するもので、業者による取り扱い説明を受け、本課題研究で使用する際の留意点を検討しながら動作確認を行い、安定した計測データを得るための試行を重ねた。その結果、コロナ禍のため、人を対象とした試行を断念し、腕模型を使って模擬的な条件下で計測する実験計画を立て、最終年度に実施することにした。 3.本課題研究のパイロットスタディとなる事例研究(2019年度に国際学会で発表)については、2020年度になって、未着であった1名分のデータが郵送されてきたため、データ再入力と分析を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2020年度はコロナ禍(新型コロナウイルスの世界的流行)により、予定していた介入研究を年度内に実施できなかったのみならず、2021年5月現在、感染流行状況はむしろ悪化している。そのため、対象との複数回の対面(身体接触を伴う介入と生体情報の記録)によるデータ収集を延期した。
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Strategy for Future Research Activity |
1.最終年度となるが、2021年度に入ってもコロナ禍は収束しないため、延期してきた介入研究を2021年度後半期に実施する。 2. 2019年度に国際学会で発表したパイロットスタディを、短報もしくは事例研究として学術誌に投稿する。 3.介入に用いるビーズテープの皮膚接触圧を、in situでのデータ収集とは別の実験系で検討する。この実験は、腕模型を使って模擬的な条件下で実施する。 4.慢性痛のある対象で、ビーズテープを貼付する前後で、鎮痛の有無を含め、対象にどのような現象が起こっているかを多次元的に測定・評価する。これは、本助成研究の中心課題である。期間中にコロナ禍に収束の兆しが見えたら、すでに了解を得ている2~3名を対象に、観察研究を計画、実施する。1の実施は10月以降になるため、夏季の間に倫理申請を行い、承認が得られれば、年度内にデータ収集を実施したい。各対象のデータ収集は1日1回(2~3時間)のみである。 なお、本研究は対象者との密な接触を伴う介入研究デザインを主に遂行するため、コロナ禍により研究遂行が大幅に遅延している。よって、研究環境が整えば、論文作成に充てるため、研究期間の1年延長を視野に入れる。
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Causes of Carryover |
1.次年度使用額が生じた理由 2020年度においても新型コロナウイルス感染症の流行が沈静化せず、対象者との濃厚接触が避けられない介入研究の実施を断念した。 2.使用計画 2021年度においては、コロナ禍の状況を見ながら研究に適した季節(10~12月)に、過去2年間に実施できなかった介入研究のデータ収集を実施する(研究対象者への謝金)。また、接触圧測定機器を用いた鎮痛材の皮膚接触圧を計測する(電極等、消耗品)。順調に計画が進めば、年度内にデータ収集を完了し、学会発表並びに論文作成準備に入る見込みである(学会参加費、少なくとも2本の論文の英文校正と論文投稿料、データ解析ソフトの購入)。
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Research Products
(1 results)