2019 Fiscal Year Research-status Report
活動耐性に関する熟練看護師の臨床判断と看護ケアの様相の解明
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19K10715
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
曽田 陽子 愛知県立大学, 看護学部, 准教授 (80405224)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本田 育美 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 教授 (30273204)
長谷川 智子 福井大学, 学術研究院医学系部門, 教授 (60303369)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 看護師の臨床判断 / 活動耐性 / 現象学 / 熟練看護師 / 慢性呼吸器疾患看護認定看護師 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は科研費助成で実施した「看護アセスメント能力の向上をめざす育成プログラムの構築とその評価」(H23-25)、「適切な看護介入のための看護アセスメント能力強化プログラムの策定と評価」(H26-30)において課題となった、患者の【活動を行うための心理的・身体的活力〔活動耐性〕】に関する看護師の臨床判断の向上に寄与するものである。今日、肺がんや肺炎、COPD(Chronic Obstructive Pulmonary Disease:慢性閉塞性肺疾患)等の呼吸器系障害をもつ患者は多く、今後も増加が懸念される。このような酸素摂取(oxygenation)に障害がある患者の自立した生活を支援しQOL向上に貢献するには、「患者の活動耐性を的確にアセスメントし、それに応じた効果的な看護ケアを決定し実施する」看護師の臨床判断と看護実践力が重要となる。本研究では、呼吸器疾患患者の看護に熟練した看護師の臨床判断とケア実践の様相に焦点をあて、参加観察とインタビューによりその現象の詳細を解釈することで、活動耐性の判断とケア実践に不可欠な能力を解明することを目的とする。 4年計画で実施する本研究において、初年度である2019年度は、3名の慢性呼吸器疾患看護認定看護師を対象に実施した参加観察とインタビュー結果を繰り返し熟読し、患者と対峙する熟練看護師の内面世界を現象学的に解釈し言語化することに取り組んだ。解釈にあたっては、研究者間でディスカッションを重ねることで、柔軟かつ多角的に解釈することに努めた。また、現象学や看護師の熟練性、臨床推論や臨床判断に関する書籍や文献を活用した。さらに、現象学の研究会や学会に参加して現象学的解釈力の向上をめざした。解釈とその検討は、現在継続中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究参加に同意が得られた慢性呼吸器疾患看護認定看護師経験3年のA氏(参加観察・インタビュー時間約480分、逐語録総文字数27,365文字)、6年のB氏(約720分、10,641文字)、2年のC氏(約720分、27,880文字)のデータ解釈を、研究者間でのディスカッションを行いながら進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
データ収集を終えた3人の慢性呼吸器疾患看護認定看護師の臨床判断とケアの様相について、さらに解釈を進め、研究成果の公表を順次進めていく。あわせて、新型コロナウイルス感染症の流行を見据えつつ、研究に協力いただける新たな対象者のリクルートを進めていく。
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Causes of Carryover |
本年度の調査対象者が、研究者の所属大学の近隣で得られたため、予定よりも旅費がかからなかった。しかし、今後は、調査対象者の居住地域が遠方となるため、その調査費用に充てる。
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