2022 Fiscal Year Research-status Report
活動耐性に関する熟練看護師の臨床判断と看護ケアの様相の解明
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19K10715
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
曽田 陽子 愛知県立大学, 看護学部, 准教授 (80405224)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本田 育美 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 教授 (30273204)
長谷川 智子 福井大学, 学術研究院医学系部門, 教授 (60303369)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 看護師の臨床判断 / 活動耐性 / 熟練看護師 / 呼吸器疾患看護認定看護師 |
Outline of Annual Research Achievements |
今日、肺がんや肺炎、COPD(Chronic Obstructive Pulmonary Disease:慢性閉塞性肺疾患)等の呼吸器系障害をもつ患者は多く、今後も増加が予測される。また、2020年頃から蔓延した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響の実態や病態はまだ明らかではないが、肺機能の低下や心臓への影響が懸念されており、酸素摂取(oxygenation)に障害もつ患者はますます増加することが予測される。このような酸素摂取に障害がある患者の自立した生活を支援しQOL向上に看護が貢献するには、「患者の活動耐性を的確にアセスメントし、それに応じた効果的な看護ケアを決定し実施する」ための看護師の臨床判断と看護実践力が重要となる。本研究では、呼吸器疾患患者の看護に熟練した看護師の臨床判断とケア実践の様相に焦点をあて、参加観察とインタビューによりその現象の詳細を解釈することで、活動耐性の判断とケア実践に不可欠な能力を解明することを目的として取り組んだ。 しかしながら、看護師を対象として臨床現場でデータ収集しようとする本研究は、新型コロナウイルス感染症蔓延の影響をまともに受け、また臨床の負担回避を最優先にしたことからデータ収集が進まなかった。研究4年目となった2022年度は実施可能の兆しが見え始めたため、当初計画した参加観察とインタビューという方法からインタビューのみに切り替え、所属機関の研究倫理審査を受け承認を得た。併せて、研究期間延長を申請し承認を受けることができたため、早急に新たなデータ収集を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究は看護師を対象として、臨床現場において参加観察とインタビューによりデータ収集する計画であった。しかしながら、新型コロナウイルス感染症蔓延の影響を受け、対象となる呼吸器疾患看護認定看護師および呼吸器系病棟は多忙を極めていた。そのため、研究協力による負担は回避すべきと判断し、研究協力依頼は差し控えたことから研究実施が遅れる結果となった。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルス感染症患者が減少傾向にある現在、臨床での研究受け入れは緩和しつつあるが、実状に合わせたデータ収集方法に切り替える必要があると考え、データ収集方法を参加観察とインタビューから、対面またはオンラインによるインタビューに修正し、研究倫理審査を再受審した。研究倫理審査委員会の承認を得たことから、研究協力依頼を早急に進める予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症蔓延の影響によりデータ収集が進まなかったことから、研究期間を延長して、2023年度にデータ収集を行う。インタビューは対象者の希望により対面かオンラインにより実施するため、対面の希望があった場合には旅費等の出費が必要となる。また、インタビューの音声データを逐語録に起こす作業は業者への依頼を考えているため、その費用や、成果発表の際の英文翻訳などの費用が必要となる。
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