2020 Fiscal Year Research-status Report
Prevention of thrombosis by enhancing the blood flow using foot-bath and aroma hand massage which are known to have a sterss-decreasing effect.
Project/Area Number |
19K10716
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Research Institution | Mie Prefectural College of Nursing |
Principal Investigator |
林 辰弥 三重県立看護大学, 看護学部, 教授 (00242959)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 足浴 / 温度 / 血流 / 自律神経バランス |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに、40℃の湯温を用いた足浴の線溶系の促進に基づく血栓症予防効果を明らかにしてきたが、足浴の血流改善効果に基づく血栓症予防効果、さらにはそのストレス軽減効果との関連については明らかではない。そこで本研究では、37℃、40℃及び43℃の湯温を用いた足浴について、その血流速度の改善効果を指標とした血栓症予防効果を明らかにするとともに、そのストレス軽減効果との関連性については自律神経バランスを指標として検討した。 健康な女性被験者を無作為に、37℃の湯温を用いた足浴群15名、40℃の湯温を用いた足浴群15名、及び43℃の湯温を用いた足浴群15名の3群に分け、3群ともに、足浴前、20分間の足浴直後、足浴10分後及び足浴20分後の計4回、研究用レーザ血流速度計を用いて血流速度を測定すると同時に、パルスアナライザープラスビューを用いて自律神経バランスを測定した。 37℃、40℃及び43℃の湯温を用いた足浴前後における血流速度の平均値を比較した結果、40℃及び43℃の足浴群では、足浴前の血流速度の平均値に比較して、足浴直後の血流速度の平均値が有意に増加し、特に43℃の足浴群では、その増加が足浴10分後まで持続することが明らかになった。種々の湯温での足浴前後で、血流速度測定時に自律神経バランスを測定した結果、40℃及び43℃の湯温を用いた足浴では、足浴前に比較して、足浴後のいずれかの時間に交感神経の活性が上昇していたことから、40℃及び43℃の湯温を用いた足浴で認められる血流速度の増加は、足浴による交感神経の興奮に伴う末梢血管収縮も部分的に関係している可能性が考えられた。 以上の結果から、40℃及び43℃の湯温を用いた足浴では、血流速度の増加による血栓症予防効果が認められたが、その血栓症予防効果は交感神経の興奮に基づく末梢血管の収縮と関連している可能性が考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、予定通り、足浴に用いる湯温の血流速度に及ぼす影響を検討するとともに、足浴の血流速度の変化を指標とした血栓症予防効果とその自律神経バランスを指標としたストレス軽減効果との関連性を検討することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度実施したアロマオイルを用いたハンドマッサージの血流速度を指標とした血栓症予防効果、及びその自律神経バランスを指標としたストレス軽減効果との関連性に関する検討により、アロマオイルを用いたハンドマッサージにストレス軽減効果が認められたにもかかわらず、そのストレス軽減に伴う副交感神経の興奮による血管の拡張により、血流速度が低下する結果が得られた。次年度は、ハンドマッサージに用いる最適なアロマオイルの選別のため、アロマオイル自身の血栓症予防効果について、それらの血管内皮細胞が有する抗血栓性に及ぼす影響に焦点を絞り、様々な面から検討する。
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Research Products
(2 results)