2019 Fiscal Year Research-status Report
看護臨床判断を支援するAI活用に向けた新技術の創生
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19K10721
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Research Institution | Tokyo University of Information Sciences |
Principal Investigator |
伊藤 嘉章 東京情報大学, 看護学部, 助教 (60804870)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 洋一 東京情報大学, 総合情報学部, 准教授 (20548424)
川口 孝泰 東京情報大学, 看護学部, 教授 (40214613)
大石 朋子 (大塚朋子) 東京情報大学, 看護学部, 講師 (40413257)
豊増 佳子 東京情報大学, 看護学部, 講師 (60276657)
葛西 好美 東京情報大学, 看護学部, 准教授 (70384154)
今井 哲郎 長崎大学, 工学研究科, 助教 (10436173)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 意思決定 / 臨床判断支援 / 意思決定 / 生体情報 |
Outline of Annual Research Achievements |
医療分野ではAI(人工知能:Artificial Intelligence)による臨床判断支援ツールの開発が国家的ミッションとして活発に始められている。今日のAI技術は、過去のデータに基づいて学習されたアルゴリズムによって意思決定が行われる。しかし、時々刻々と変化し、想定外の事例が出現する医療現場において、AIのみによる判断では、対応が困難なケースが多い。次世代の個別化医療を実現するには、患者の健康状態を予測する機械学習システムと、専門家の直観と創造性を融合した新たな臨床判断支援ツールの開発が必要である。 本研究は、AI(機械学習)と、人間の直観と判断を融合し、臨床判断支援ツールを開発することを目的とする。本研究は、第1フェーズ(基礎研究)、第2フェーズ(システム開発)、第3フェーズ(臨床判断支援に向けた検証実験)の3段階で実施する。2019年度は、第1フェーズを進める計画であった。第1フェーズでは、臨床判断支援ツールのデータベースに使用する患者・看護情報の選定である。看護情報の選定では、看護師の意思決定に関する先行研究を調査し、どのような看護師の思考が意思決定に関わっているのか検討した。患者情報の選定では、対象の生体情報の継時的変化から状態変化を予測するための変数を選定するために、生体情報のモニタリング(静脈血酸素飽和度、指尖容積脈波、表情の変化(画像・動画))を行い、それらデータを分析し状態変化予測モデルの作成を実施している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
看護情報の選定は、看護師の意思決定に関する先行研究調査によって幾つかの情報を特徴量として使用できる方向性が見え始めている。今後は、先行研究への調査によって明らかになった特徴量の候補について、専門家との意見交換による特徴量の選定を開始する。患者情報の選定は、生体情報のモニタリングによって測定されたデータに基づいて、対象の状態変化を予測するモデルの作成に取り組んでいた。汎用性の高いモデル作成を試みていたが、十分な予測精度を導くためのデータ数が不足しており、今後は対象者の数を増やしながら予測モデルの精度向上に努める必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
看護情報の選定は、幾つかの特徴量の候補となっている項目について、専門家を招集し特徴量となる看護情報の選定を進めていく。患者情報の選定では、精度の高い予測モデルの確立に至っていないことから、改めて測定する生体情報を見直した上で、患者情報として使用する特徴量の抽出と予測モデルの開発を実施する。
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Causes of Carryover |
看護情報・患者情報の選定を確実に進めるために、臨床判断支援システム自体の開発は次年度に持ち越すことを予定している。同様に、システム開発に関する研究成果の発表や調査にかかる旅費・人件費なども次年度に持ち越すこととした。
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