2019 Fiscal Year Research-status Report
Research on ethical and legal issues of humanoid caring robots considered from interdisciplinary viewpoint
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19K10735
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
安原 由子 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 准教授 (90363150)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
甲斐 義弘 東海大学, 工学部, 教授 (00320119)
辻上 佳輝 香川大学, 法学部, 准教授 (10346629)
飯藤 大和 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 助教 (60723921)
谷岡 哲也 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 教授 (90319997)
宮川 操 徳島文理大学, 保健福祉学部, 准教授 (90637084) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 人型ロボット / 倫理・法的課題 / 安全性 / 対話 / ケアリング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、ケアリングに基づいた会話ができる人型ロボットを医療・介護現場で安全に使用するための倫理・法的課題を学際的に明らかにすることである。 初年度となる2019年度は、既に臨床試験を実施している高齢者施設にて、認知症患者やデイサービスを利用する高齢者に、XING社と開発したリハビリテーションと対話アプリケーションを搭載したPepper-CPGE(Application program of Care Prevention Gymnastics Exercises for Papper)を用いて会話してもらい、その場面を観察した。また、ロボット学会に参加し、工学をはじめとする他分野の研究発表を聞き、また意見交換し、ロボットの倫理についての様々な考え方を情報共有した。さらに、医師、理学療法士、弁護士、工学者、看護職で構成される専門者会議を複数回実施し、現在のPepper-CPGEの会話における倫理的・法的課題について検討した。 現時点で、Pepper-CPGEに関連する事故の報告はない。しかし、対話機能の低さから対象者が会話の中断したり、会話内容がかみ合わないといった対象者への負担があること、Pepper-CPGEを準備する(移動させる)労力が必要である。また、対象者がPepper-CPGEの手を握る、頭を触るなどの際、転倒のリスクに対する安全性を確保するため医療者の見守りが必要になるといった医療者側への負担などの課題があげられた。さらに、このようなコミュニケーションロボットによる会話(会話データにおける個人情報の保護など)が、日本のどのような法律と関係しているのかについて検討を始めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1つの施設ではあるが、計画していた人型ロボットと対象者(高齢者)の会話場面を観察することができた。また、専門者会議をとおして学際的な視点で、継続的に倫理的・法的課題について検討している。現状で考えられる法的課題について論文を投稿し、倫理的課題に対する結果の一部を日本看護科学学会で発表した。これらのことから、おおむね順調に進行していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は 観察調査を進めながら、潜在的・顕在的課題の明確化に取り組む予定である。また、研究開発がすすめられている人型対話ロボットを使用する医療者側の意見を明らかにするため、人型対話ロボットに対する感想や、倫理面や安全面の課題についてインタビューを実施する予定である。 しかし、新型コロナウイルスといった感染症が拡大しているため、臨床現場で勤務する医療者に調査ができるかどうか動向を見極めながら、調査方法を検討する必要がある。
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Causes of Carryover |
2019年度は、1施設だけの観察調査となったため、調査のために必要であった記録媒体の購入を次年度(2020年度)に変更した。2020年度は、新型コロナウイルス感染拡大で臨床でのデータ収集開始が不透明であるが、調整しながら進めていく予定である。
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Research Products
(6 results)