2019 Fiscal Year Research-status Report
効率的な看護研究・教育を支援するデジタル素材無償配信システムの構築と運用
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19K10741
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Research Institution | Fukuoka Prefectural University |
Principal Investigator |
杉野 浩幸 福岡県立大学, 看護学部, 准教授 (90258434)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 看護研究支援 / 看護教育支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
看護研究の実施状況の把握を中心に調査活動を行い、実際に研究を行う上で不足している素材やITスキルをピックアップした。 1)研究の遅延に影響する要因、2)研究の遅延に影響する業務、3)問題解決困難である事項、4)具体的な対応策の検討、について情報収集を行った。 その結果、Officeソフトウエアの基本的な操作について直感的な使用、操作を行っており、標準的な使用方法について未修得である部分が多く、一般業務における電子メール等の作業との連携時、さらに印刷時において、習熟者と比較し10倍以上程度の作業時間を要することで、研究等に充てる時間を失っていることが判明した。機器のトラブルも多く、ハードウエア操作時における故障、データ紛失によるタイムロス、ネット環境に依存した業務体制において頻繁にネットワークダウンが生じることで業務が停止するなど教育、教務に関する業務をスムーズに進めることができず疲弊している現状を確認した。 一方で、上記のトラブルに対応し、速やかに一般業務を進めるための障壁が職場における人間関係であることも明らかとなった。同僚、関係部署が多忙であり対応依頼が困難である点、人間関係の面から専門的な知識を有する教員等への質問を躊躇し自己解決を試みることで勤務時間を消費している現状もある。 対応策として、ソフト面、ハード面の選定、使用についてより積極的に関わり、問題解決のための方策や手順を指導することで看護研究を実施する時間確保を図るよう支援を行った。なお、現状、集約したトラブル内容、支援方法等についてその詳細を学会発表等で報告することが困難な状態にあり、学術誌、一般商業誌への打診を検討しているが、国内状況(新型ウイルス感染の状況)を踏まえ、情報収集、対応実施等に留まり、学会発表やホームページ等での公表を保留している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初予定していた調査依頼や学内での聞き取り調査など簡易な研究(事前調査)についても、より厳密な研究倫理上の事前申請、審査、許可が必要と判断し、7月に研究倫理審査申請書等一式を揃え学内審査委員会へ承認依頼を行った。軽微な修正との結果をいただいた一方で最終的に12月の許可となり研究の進捗に大きな遅延を発生させる一因となった。 倫理審査協議中においては、研究推進のための情報機器等の環境整備や研究倫理に抵触しない範囲での情報収集を継続した。 その後、新型肺炎ウイルスによる他大学への打ち合わせ、依頼、学会中止などもあり、結果、今年度は環境整備を行うに留まったため、本研究課題の進捗に遅延が生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
新型肺炎ウイルス感染拡大の影響により、学術集会等の中止、情報収集のための出張や調査依頼に対応できない教育機関が大半となり当初の計画遂行の可否について目処が立たない現状にある。 一方で、既存の収集データを用いたホームページの更新なども検討しているが、在籍する大学、全国の教育機関、病院等すべての医療機関が危機的状況にあり、新型肺炎ウイルス蔓延の終息を待ち、研究内容の再検討が必要である。 なお、看護系大学における遠隔授業の推進が急務となっており、当初計画していた2020年度の研究目的である、デジタル素材配布サイトの構築との大きな乖離はなく、遠隔授業実施に求められる素材、テンプレートの配布を開始することが可能であり、この点を中心としたサイトの再構築、教員間での近接した距離での会話等が可能となれば直接指導なども進めていく。
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Causes of Carryover |
2-3月使用予定であった出張等が新型肺炎ウイルス拡大により中止となり、研究内容の進捗に遅延が生じたため。
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Remarks |
上記ホームページを利用した教育、研究に関する配信が可能であり、配信のみならずパワーポイント資料、教育用動画の作成など教員を対象とした指導、援助を随時行っている。
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