2019 Fiscal Year Research-status Report
看護師の異文化コミュニケーション強化のためのシミュレーション教育モデルの開発
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19K10747
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Research Institution | Gunma Paz University |
Principal Investigator |
堀込 由紀 群馬パース大学, 保健科学部, 講師 (00512493)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
萩原 一美 群馬パース大学, 保健科学部, 講師 (30832894)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 異文化間コミュニケーション / 教育プログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
看護師は医療従事者の中で患者にとって最も身近で療養生活に寄り添うケアの提供者であり、患者の持つ文化や背景を理解して、尊厳をもって適切なケアを提供することを求められている。しかし、単一民族、単一文化という日本の環境下で育っている日本人看護師の多くは、外国人患者への対応に困惑しているという報告がある。先行研究では、看護師が外国人患者と接する際に困難と感じる要因で最も多かったのはコミュニケーションが取れないことによるものであった。また、外国人患者受け入れ体制の整備や研修の機会の不足等も指摘されている。日本人看護師は異文化に触れる体験が乏しく、ケア提供時に必要な異文化間コミュニケーションスキルの獲得が難しい状況にある。よって日本人看護師に対する外国人患者の理解と安全なケア提供のためには、異文化間コミュニケーションに関する教育機会の提供と効果的な教育プログラムの開発が早急に必要である。 2020年度の研究目的は、実際に外国人患者をケアしている看護師が困難と感じた体験と学習ニーズの明確化とした。調査対象は、関東圏で協力の得られた3病院に勤務し、外国人患者へのケア経験を有する看護師とした。調査方法は、1病院3~4名をグループ化しインタビューガイドを用いた半構成面接法によるフォーカスグループインタビュー(以後FGI)を実施し、インタビュー内容を質的に分析する予定であった。研究開始にあたり本学の研究倫理委員会の承認を得て、1月中旬から協力の得られた病院と実施に関する調整をしていた矢先、新型コロナウィルスの流行がパンデミックとなり、研究を中断せざるを得なくなった。 そこで、本研究課題に関連する文献検討を進め、2020年度後半から取り組む予定としていた教育プログラムの構成の検討を始めている。教育評価に用いる評価尺度についての検討も始めた。現在、和文献、洋文献等を分析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナ感染症の流行により、計画していた看護師へのインタビューに関する調査研究は中断せざるを得ない状況となった。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度~2021年度前半まで計画していた病院に勤務する看護師らへのインタビュー調査は新型コロナウィルス感染症が終息するまで延期あるいは質問紙調査に切り替えることを検討している。また、インタビュー方法もFGIから個別インタビュー等へ変更するなど、教育教材としての基礎資料となるインタビューについては、研究計画を見直す。教育プログラムの構成について文献研究の結果を参照しながら検討していく。教育評価尺度について既存の信頼性・妥当性のある異文化コミュニケーションに関する尺度を探索し、利用できるか検討していく。現在のところ、“異文化間感受性尺度日本語版(鈴木、齋藤,2016)”や”Intercultural Effectiveness Scale”(Portalla, Chen, 2010)等に注目している。
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Causes of Carryover |
2020年度は関東圏の病院への往復の旅費やインタビューに伴う諸経費を使用していないため、次年度に感染症の状況にあわせ、計画していく。また、インタビューの分析に使用するPCや個人情報の処理に必要なシュレッターについては次年度に購入する予定である。
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