2020 Fiscal Year Research-status Report
看護師のWLB実現に向けた看護師長のコンピテンシー評価尺度の妥当性の検証
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19K10752
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
鈴木 小百合 順天堂大学, 医療看護学部, 准教授 (70514850)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ワーク・ライフ・バランス / 看護師長 / コンピテンシー |
Outline of Annual Research Achievements |
病院の最小看護単位を管理する看護師長には、看護チームとしての円滑な業務遂行と共に多様な人材の能力を活かしつつ、看護師のWLBを実現することが求められている。しかし、看護師のWLB実現に向けて看護師長に必要とされる資質・能力について明らかにされておらず、看護師長は自身の経験や価値観に基づいて看護師のWLB実現に向けた支援を行っている現状にあった。そこで、先行研究において看護師長の具体的な行動指針となり得る「看護師のWLB実現に向けた看護師長のコンテンシー評価尺度」を開発した。開発した尺度は、信頼性や妥当性の十分な検証ができなかったことから、既存の尺度を精錬した新たな尺度を示すべく、2019年度に引き続き2020年度は、調査結果を再分析して論文を投稿した。 また、尺度の基準関連妥当性や有用性の検証に向けて、開発した尺度と「看護師のWLB実現度」の相関性を明らかにするための分析モデルの構築について検討した。「看護師のWLB実現度」には、「年次有給休暇取得率向上」「看護師が希望する休暇取得のしやすさ」「急な欠勤や早退のしやすさ」「看護師の職務満足度の高さ」を項目とすることを検討している。看護師長による主観的な自己評価だけでなく、同じ部署の看護師に対してWLB実現の成果を測定する尺度で調査することで、基準関連妥当性を検証できると考えている。また、国内外のWLBに関する文献の他、WLBに類似した概念であるWFCやWork-family enrichmentなどについても広く文献を検討した上で、研究の分析モデルを示し、看護師長のコンピテンシーとの関連を検証する際の基盤とする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
「看護師のWLB実現に向けた看護師長のコンピテンシー評価尺度」の基準関連妥当性や有用性の検証に向けた調査を行う予定であったが、まだ着手できていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
精錬した「看護師のWLB実現に向けた看護師長のコンピテンシー評価尺度」を示すべく必要な修正を行うとともに、基準関連妥当性や有用性の検証に向けた調査に着手する。 全国の病院の看護師長および同じ部署の看護師への質問紙調査を行う予定であったが、COVID-19の影響で病院の看護師を対象にした調査が厳しい状況にあるため、対象施設や対象者数を見直すなど、調査できる方法を模索し実行する。
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Causes of Carryover |
COVID-19の影響もあり予定していた調査ができていないため、物品費の使用額が減少した。 研究に関する最新の情報を収集するための関連学会への参加費や書籍代の他、調査用紙の印刷費・郵送費等が必要になる。
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