2020 Fiscal Year Research-status Report
リスクゼロ段階からの転倒予防介入指針の開発‐身体感覚と運動機能のズレによる層別化
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19K10770
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
能登 裕子 九州大学, 医学研究院, 講師 (40615910)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 高齢者 / 転倒予防 / 運動機能評価 / セルフモニタリング / ウェアラブル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、身体感覚要因調査と、ウェアラブル端末を用いた運動機能評価を軸とした高齢者の層別化を行い、地域在住高齢者が自ら意識・行動する、転倒リスクゼロ段階からの早期転倒予防介入指針の検討を目指す。 ①ウェアラブル端末を用いた動的安定性評価による、運動機能の推定精度向上、②高齢者の身体感覚要因と運動機能を軸とした層別化(セグメンテーション化)を検討する。さらに①②により、高齢者自身が容易にモニタリングでき、行動変容への個別対応に繋がる介入指針を検討する。2020年度は、①に対して、ウェアラブル端末を用いた評価方法と従来の評価方法との整合性の分析を予定していたが、産前・産後の休暇、育児休業の取得に伴う研究中断(令和2年2月27日~令和3年3月31日)のため、研究再開の2021年度に継続して実施する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
産前・産後の休暇、育児休業の取得に伴う研究中断(令和2年2月27日~令和3年3月31日)のため。
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Strategy for Future Research Activity |
研究1:ウェアラブル端末を用いた評価方法と従来の評価方法との整合性分析:本申請者が開発したウェアラブル端末による運動機能評価(主に動的安定性)と、一般に行われている体力測定による評価(従来評価)との整合性を検証する。また、身体感覚と運動機能との関連性(ズレ)を明らかにする。研究1は当初、2019年度~2020年度に予定していたが、2019年度に引き続き、研究再開の2021年度に継続して実施する。しかし、コロナ禍による研究への影響として、研究体制・測定規模の縮小が懸念されるため、2019年度取得済みデータを活用した推定精度向上も目指す。 方法:日常生活が自立した高齢者(65~75歳)の男女を対象に、ウェアラブル端末を用いた評価(加速度振動、移動速度などから得られる動的安定性を中心とした活動データ)と従来の運動機能評価(最大筋力、2次元動作解析データ等も測定)の双方の測定を行い、両者の関連性の整合性を分析し、指標としての有用性の評価を行う。身体感覚とその変化などについては、質問紙および聞き取りによりデータを収集する。測定の際は、コロナ禍における感染予防の必要性をふまえ、感染対策を最優先とし、測定は最小限とする予定である。測定が困難な状況に陥った場合は、取得済みデータを用いて分析項目を追加する。歩行能力においては、歩行周期(立脚期)比率、足振り上げ高さ等を抽出し、適合度と主観評価(身体感覚・運動機能の認識)との関係分析を追加する。椅子立ち上がり動作においては、FTSST(連続動作)の他、日常生活にて行われる単発の立ち上がり・座り動作の抽出を行ったうえで体幹の姿勢角度変化、角速度等を分析し、実際の日常生活の中で測定・評価可能なパラメータについて検討を重ねる予定である。
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Causes of Carryover |
(理由)2019年度の測定(研究1)において、対象者の背景から多くを個別に実施する必要があったため、複数対象者を同時に測定するために必要としていた備品等の購入を繰り越すこととなった。また、2020年度は産前・産後の休暇、育児休業の取得に伴う研究中断に至ったため。 (使用計画)購入物品については研究遂行(ウェアラブル端末を用いた評価と従来の運動機能評価および質問紙調査)に不足する物品(測定用計測器、消耗品等)を中心に揃える。また、データ分析を行うための人件費等として使用する。
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