2022 Fiscal Year Research-status Report
診療所における効果的・効率的な感染管理活動のための指標の作成
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19K10774
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Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
佐藤 淑子 大阪公立大学, 大学院看護学研究科, 教授 (40249090)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平尾 百合子 山梨県立大学, 看護学部, 教授 (50300421)
喜田 雅彦 大阪公立大学, 看護学研究科, 助教 (10844227)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 診療所 / 感染対策 / 感染管理活動 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究分担グループの調査結果に基づき、診療所の感染対策の実態を反映した感染管理の指標案を作成し、感染症専門医と感染症看護専門看護師にヒアリングを行って指標案を精錬することを計画する中、2022年度の診療報酬改定により、診療所を対象とした「外来感染対策向上加算」が新設された。コロナ禍が続き、診療所からの協力を得ることが難しいことから、本年度は各地方厚生局の届出受理医療機関名簿をもとに、都道府県別の加算取得状況の調査を実施した。その結果、2023年3月時点で「外来感染対策向上加算」を取得している診療所は全国で17,257施設であり、診療所が加算を取得するために連携することが必要とされている「感染対策向上加算1」を取得した病院は1,266施設であった。 加算1を取得した病院は外来加算を取得した複数の診療所と連携していると考えられたため、加算1取得病院1施設に対する外来加算取得診療所の施設数を算出(小数点以下は切り上げ)したところ、全国平均は14施設であり、最多は東京都・群馬県・岐阜県の23施設、最少は沖縄県の3施設と地域差が大きかった。また、47都道府県のうち34府県で10施設以上であったことから、日本の多くの地域では、10施設以上の診療所が一つの病院と連携し支援を得ながら感染対策の向上に努めているといえる。 この結果から、診療所の効果的・効率的な感染管理の指標を検討するうえで、診療所個々の特性だけでなく、地域内で診療所と連携し、感染管理の支援を行う病院の充足状況といった地域特性を考慮することの必要性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症流行が継続しており、地域内の診療所および感染症専門医と感染症看護専門看護師への研究協力の依頼が難しい状況が続いたことに加え、研究代表者の業務上の都合により研究を推進することができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに実施した質問紙調査の結果と全国の外来感染対策向上加算の取得状況の調査結果に基づき、診療所の感染対策の実態と外来加算取得状況を反映した感染管理の指標案を作成し、感染症専門医と感染症看護専門看護師にヒアリングを行って指標案を精錬した後、協力が得られる複数の診療所へ提案し評価を受ける。 診療所への協力依頼は、研究分担者や研究協力者の医師を通じて行う。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症流行が継続していたため、診療所でのフィールドワークと感染症専門医や感染症看護専門看護師へのヒアリングが実施できなかったことから、協力施設で使用予定の物品購入費や協力者への謝金の支出がなかった。 2023年度は、研究の協力を得る診療所や感染症専門医・感染症看護専門看護師への謝金、物品購入・運搬費、フィードバック用の郵送費、作業補助の人件費などに使用する予定である。
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