2023 Fiscal Year Annual Research Report
診療所における効果的・効率的な感染管理活動のための指標の作成
Project/Area Number |
19K10774
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Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
佐藤 淑子 大阪公立大学, 大学院看護学研究科, 教授 (40249090)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平尾 百合子 山梨県立大学, 看護学部, 教授 (50300421)
喜田 雅彦 大阪公立大学, 看護学研究科, 助教 (10844227)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 診療所 / 感染対策 / 感染管理活動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、地域医療を支える重要な役割を担っている診療所において感染管理の役割を担う看護師が実践している感染管理活動の実態から課題を明らかにし、診療所における効果的・効率的な感染管理の指標を作成することを目的とした。2019年度の診療所への調査では、感染管理の課題として、施設内に隔離スペースがないことやスタッフ不足など診療所の物理的・人的資源を反映した問題に加えて、スタッフの手指消毒や手袋の着脱が徹底されない等の問題が指摘された。2020年度に診療所の感染管理担当者と看護職者を対象に実施した調査では、手指衛生や環境清拭などが9割以上の診療所で実施されていたものの、感染対策マニュアルの作成は4割、感染対策の研修会の開催は6割、院内の感染症発生に関する情報の把握・集計は2割程度の実施率であり、医療法施行規則で求められている感染管理の体制整備が進んでいない現状が明らかになった。また、個人防護具についてマスクと手袋、目の防護具は8割~9割の診療所で導入されていたが防水ガウンやエプロンは5割~6割の導入率であり、防護具の着脱を理解でき適切に着脱できると回答した看護師は手袋で8割、目の防護具やマスク、ガウン・エプロンで6割~7割という結果であった。2022年度の診療報酬改定によって診療所を対象とした「外来感染対策向上加算」が新設されたことから、2023年4月と9月および2024年3月の半期ごとに、外来加算の届出施設および連携先となる向上加算1の届出施設数を調査した。その結果、計算上20か所の診療所が1病院と連携している地域があることが明らかになった。 これらのことから、診療所の感染管理の指標として、診療所の設備や人員の充足状況と、地域内で診療所と連携し支援を行う病院の充足状況などが重要であると示唆された。
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