2020 Fiscal Year Research-status Report
ペイシェントアドボカシーの実践を支える心理的安全性の高い環境づくりガイドの開発
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19K10775
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Research Institution | Konan Women's University |
Principal Investigator |
大澤 歩 甲南女子大学, 看護リハビリテーション学部, 講師 (70780948)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石原 逸子 神戸市看護大学, 看護学部, 名誉教授 (30221071)
稲垣 聡 神戸市看護大学, 看護学部, 助教 (70785451)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 心理的安全性 / Speaking Up |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、看護師のペイシェントアドボカシーの実践を支える心理的安全性の高い環境づくりガイドを開発することである。前年度の文献検討の結果、チームの心理的安全性と看護師や保健医療従事者(HCW)が患者のために声を上げる(speak up)こととの関連に着目した研究がみられ、チームの心理的安全性を高めることは、看護師が患者のために声をあげることにつながることが示唆されていた。 心理的安全性の概念は、組織行動学の分野で定義されたものであり、専門職が連携して協働することを求められる医療現場に身を置く看護師にとっての心理的安全性を再定義することが必要と考えた。そこで、本研究の次の段階である「日本の看護師のとらえる心理的安全性についてのインタビュー調査」の実施に先立って、心理的安全性の概念分析を行うことにした。 概念分析は、学際的なデータベースであるWeb of Scienceにて検索した文献1054件中、看護・保健医療分野をフィールドとした64文献を抽出、このうち臨床での看護実践に焦点を当てた37文献を分析対象とした。属性および先行要件の分析は概ね終了し、現在、帰結の分析を進めている段階である。 また、概念分析と並行して、看護師を対象としたインタビュー調査の準備を進めていく予定であったが、COVID-19による影響で、研究協力機関への交渉の機会を得ることができず、準備が進められていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
年度当初からのCOVID-19による影響で、研究に従事する時間が減り、他施設に所属する共同研究者との会議も減らさざるを得ず、研究活動が遅延している。また、研究協力施設への依頼や調整も同様に滞っており、次の段階の調査方法(インタビューや参加観察)について決定できていない状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
概念分析は、2021年6月を目途に完了できるよう進め、その結果をもとにインタビュー調査の計画を立案していく。研究協力施設側の受け入れ状況について情報収集しつつ、オンラインでのインタビューにするなど施設側が受け入れやすい方法を提案していくことで実現可能性を高めていく。
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Causes of Carryover |
今年度は、研究活動の中心が概念分析であり、学会発表や学術集会への参加も行わなかったため予定していた支出が大幅に減少した。次年度は当初予定していたインタビュー調査に加えて、質問紙調査も計画中であり、その費用に当てる。
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