2020 Fiscal Year Research-status Report
看護実践能力の向上に向けた技術習得過程のモデル化と教育プログラムの構築
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19K10783
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Research Institution | Teikyo Heisei University |
Principal Investigator |
河合 桃代 帝京平成大学, ヒューマンケア学部, 准教授 (30746772)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
茂野 香おる 淑徳大学, 看護栄養学部, 教授 (00208612)
山口 みのり 静岡県立大学, 看護学部, 准教授 (00369480)
殿城 友紀 日本赤十字看護大学, さいたま看護学部, 講師 (60440252)
内山 孝子 東京医療保健大学, 看護学部, 准教授 (80781624)
大宮 裕子 西武文理大学, 看護学部, 准教授 (90604611)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 技術習得 / 看護実践能力 / 技術教育 / ワークショップ / 追跡調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
授業で看護技術を学び始める看護系大学2年生が新人看護師になるまでの4年間の縦断調査である。今年度(研究開始2年目)、参加者は看護系大学3年生で、看護技術を学習する機会の場としてのワークショップ(以下WS)を開催した。 新型コロナウイルス感染症(以下covid-19)拡大による緊急事態宣言下で会議の開催もままならず、2020年3月より延期したWSをどのように実施できるか模索、検討が続いた。WSの開催にあたり周知期間も必要であり、8月よりオンラインにて再開した。複数の大学に所属する参加者が一同に一つの場所で、看護技術演習を繰り返し実施するための環境が整っておらず、感染リスクも否めないことが理由であった。 WSは、2020年8月、12月、2021年3月の3回実施し、WS直後にフォーカスグループインタビューを行った。8月は、複数動画を視聴後、ディスカッションすることを繰り返した。動画視聴が、患者との関わりやベッド周囲の環境など、基本的な看護の視点を考えるきっかけになっていた。12月は、実習1日目を想定し、限られた情報からいかに患者像を把握し、どのようなフィジカルアセスメントが必要かに焦点を当てた。WSが各々大学や実習で学習した内容を情報共有する機会にもなっていた。3月は、臨地実習では「学生だから」と制限されやすい、倫理的配慮が必要なコミュニケーションについて、WSだからこそ体験することができ、失敗してもよい環境を想定した。参加者は、covid-19禍で臨地実習が制限された学習環境で、所属する大学により実習体験は様々だった。看護学系大学3年生は、カリキュラム上臨地実習が占める割合が多く、実際の患者とのコミュニケーション機会が持てていない状況に不安を抱えていた。WSで臨場感を持たせた模擬患者との関わりを通し、「緊張する」体験をしたり、WSをきっかけに患者との関わりを模索し続ける学生もいた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
WSは、covid-19により実施できない期間が5カ月ほどあり、調査の実施が危ぶまれたが、2020年8月、12月、2021年3月の3回オンラインにて実施できた。従来の計画では、一つの場所で学生が集まって繰り返し看護技術を身につける方法であったが、covid-19下にあるため、すべてオンライン開催に切り替えた。そして、オンラインでも看護技術を学習できるようにするためにはどのようなことであればできるのかを模索した。 ワークショップ開催前の参加募集方法は、ポスター掲示では大学へ登校する機会もない学生もいることから、学生が気軽に情報を得やすいように、instagram(SNS)に一本化したところ、新しい参加者も増えた。
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Strategy for Future Research Activity |
Covid-19による影響は2021年度も否めないことが予想され、当初の計画のように一つの場所に集まってWSを開催することはまだ難しい。そこで、引き続き、オンラインにてWS開催を継続するとともに、2021年度は対象者が看護系大学4年生で、学生最後の実習実施や国家試験対策も重要になってくることから、WSのエッセンスとして国家試験を視野にいれ、看護師になる前に看護技術の習得にあたって考える機会となるようなテーマ設定をし、学生の関心に合わせていく予定である。また、国家試験の日にちを考慮したWS開催日の決定など、学生の勉強の妨げにならないよう配慮する予定である。 2019年度より実施した調査の分析を進めながら、同時に、引き続きWSを通して調査を実施予定である。
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Causes of Carryover |
Covid-19による影響で、WSをオンライン開催に切り替え、2021年度も継続実施のため、当初計上していなかったオンラインWS開催に伴う必要物品の購入や、オンライン開催に必要なインターネット環境を整えることに費用を当てていく予定である。
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