2021 Fiscal Year Research-status Report
清拭のもつ物理的刺激が肥満度の異なる皮膚に与える影響
Project/Area Number |
19K10784
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Research Institution | Josai International University |
Principal Investigator |
北田 素子 城西国際大学, 看護学部, 准教授 (90647033)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 やよい 秀明大学, 看護学部, 教授 (40242200)
後藤 武 城西国際大学, 看護学部, 教授 (30406772) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 肥満 / 炎症性サイトカイン / 超音波画像診断 / 真皮構造の変化 / 物理的刺激 |
Outline of Annual Research Achievements |
肥満者の皮膚は、皮膚構造や内部炎症所見から、外界からの刺激に対して脆弱であると考えられるが、皮膚表層の所見を有することなく内部変化を起こしやすいという特徴があるが故に、これまで、日常の看護場面で特段注意を向けられることはない現状にある。あらゆる看護技術は、看護師の手を通し、患者に直接実践される。なかでも、『清拭』は、皮膚の清潔を保つ必須の技術であるが、同時に皮膚に直接的に物理的刺激を与える。本研究は、清拭のもつ物理的刺激が肥満者の皮膚に与え得る影響を調査し、安全な清拭技術の確立を目指す。 2021年度は、2019年度明らかとなった改善点を踏まえ、研究方法を修正し、調査を継続・追加する予定であったが、コロナ禍のなか、2020年度に引き続き、調査を再開できなかった。 2019年度は、成人男女25名の調査データを得た。現有データの分析では、清拭のもつ物理的刺激による変化を正確に捉えることができなかった。理由には、調査方法による要因が考えらた。具体的に、Skin blotting法による炎症性サイトカインの検出は、調査前の入浴状況や、清拭のもつ摩擦刺激による影響を大きく受けることがわかり、調査手法の改善点が明らかとなった。また、サーモグラフィによる皮膚表面温度の測定においては、疾患を有さない皮膚表面温度は環境要因の影響を大きく受け、調査においては、環境要因の厳密な調整の必要性が 見いだされた。 肥満による真皮の構造変化は、先行研究において輝度の低下、真皮の肥厚が報告されているが、本研究では、加えて、スキンテアや日光暴露により認めるsubepidermal echogenic band(SLEB, 表皮下低エコー像)が肥満者の皮膚にも増加する傾向を認め、皮膚の脆弱性をさらに支持する知見が得られる可能性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2021年度は、2019年度明らかとなった改善点を踏まえ、調査方法を修正し、調査を継続・追加する予定であったが、コロナ禍のなか、大学業務との調整がうまくつかず、研究調査のための時間の確保が難しかったこと、また、一般の対象との直接的な接触が避けられない調査を対象者の理解を得たうえで実施できる環境ではなく、2020年度に引き続き、調査を再開できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
事業期間延長申請を行い、承認された。 6月に調査を再開する方向で、協力機関に対象者のリクルートを依頼している。 修正した研究計画に基づき、COVID-19感染対策に留意し、調査を再開、本年度中にデータを分析する。
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Causes of Carryover |
コロナ禍による調査の中止により、新たなデータを得ることができず、謝金に該当する研究費、エコーレンタル費、加えて、調査方法の改善に伴うskin blotting法に係る経費に余剰が生じた。2022年度の調査・研究遂行のため同費用が必要となる。
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