2021 Fiscal Year Research-status Report
小規模病院の連携で創る中山間地域の看護師の継続教育プログラムとその評価
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19K10806
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Research Institution | Niimi College |
Principal Investigator |
木下 香織 新見公立大学, 健康科学部, 教授 (30270010)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 智恵子 新見公立大学, 健康科学部, 准教授 (60591576)
真壁 五月 新見公立大学, 健康科学部, 講師 (90274050)
安田 陽子 新見公立大学, 健康科学部, 講師 (80813625)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 看護師 / 継続教育 / 中山間地域 / 小規模病院 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度に引き続き、大学近隣の4つの小規模病院の看護師との「中山間地域継続教育プログラム」のプロジェクトチームで、新見版クリニカルラダーとそれに基づく具体的な教育プログラムを作成することを目的とした検討を行った。 クリニカルラダー作成においては、「クリニカルラダー」に関する基本的理解を高める必要性から、施設用に関連書籍を購入し、次年度に向けて勉強会開催などを検討した。 新人看護師対象では、入職直後に1・2年目の交流会を計画したが、新型コロナウイルス感染拡大に伴い年度内には交流会開催ができなかった。そのため、1年目の区切りに施設内で開催した卒後1年目の「事例を通しての看護観と振り返り」を市内看護師対象研修会(後述)で発表する機会を設けた。臨床看護実践場面について、現象の意味を科学的な分析と客観的な洞察をおこない、言語化ができていた。終了後アンケートでは、新人看護師への賞賛と先輩看護師の省察につながったコメントが寄せられていた。 2年目看護師対象では、岡山大学と共催のシミュレーショントレーニングを開催し、2年目看護師5人が受講した。所属先の希望を取り入れて「意識障害」「外傷」「急性心筋梗塞」のシナリオで実施した。受講後のアンケートには、急変時の対応についての具体的な学びを得、課題が明確になったことが記され、受講に対して「満足」「大変満足」と評価していた。 中山間地域の小規模病院の看護師が相互に学び合う場として、臨床看護師が講師を務めるオンライン研修会を開始した。2021年10月「救急看護 救急・急変時の基本」を皮切りに、「高齢者の骨折における周手術期看護」を部位別に3回実施した。2022年2月には糖尿病療養指導士でもある管理栄養士による「最近の食事療法」をテーマとして開催した。3月に施設内で実施された新人看護師の事例を通した振り返りを4月開催の研修会の内容として企画した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
オンライン会議の開催は定着し、プロジェクト会議は定期的に開催できたが、具体的な検討において進捗が芳しくない状況である。 クリニカルラダー作成に関しては、基本的な理解に課題(施設による差)があることが明らかになり、臨床看護師の理解を基礎に進められるよう、関連書籍の精読から始めることになった。新人看護師を対象とした研修会等の開催においては、新型コロナウイルス感染拡大の予防あるいは対応によって困難な状況にあった。また、医療現場のコロナ禍における非日常的状況に配慮し、継続教育プログラムの汎用性向上のための調査も実施できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
プロジェクト会議の開催は、引き続きオンライン会議を基本として、コロナ禍の医療機関の負担等を考慮しておこなう。 新見版クリニカルラダーの作成については、購入した書籍を活用した勉強会の開催と日本看護協会等の研修の受講によって理解度を高め、研修会やシミュレーショントレーニング、交流会など、これまで企画・開催してきた内容の位置づけも含めて、ラダー作成に向けていきたい。具体的な教育プログラムについては、現在実施している研修会等を定着させていく。新人~卒後5年目の重点的なプログラムと中山間地域に多い中途採用者を含めた中堅以上の全看護師を対象としたプログラムを作成していけるよう、新人・2年目看護師のプログラムの再検討、卒後3~5年目看護師のプログラムの新規計画とともに、実施可能な事業を実施する。若手看護師の継続教育においては、プリセプターを交えた内容の検討も必要である。研修会の開催においては、新型コロナウイルス感染拡大の予防に配慮して、時期や方法を検討しながら実施する。 継続教育プログラムの汎用性向上のための調査についても、新型コロナウイルス感染拡大の状況をみながら、医療機関への調査依頼を行う。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染拡大に伴い、研修会等の開催や汎用性向上のための調査が実施できていないためである。感染状況に配慮しながら研修会の開催等を進めるとともに、調査を実施に向けていく。
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