2020 Fiscal Year Research-status Report
カプサイシンジェルとサーキュレーターを用いた睡眠導入効果に関する実験検証
Project/Area Number |
19K10807
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Research Institution | Fukuoka Prefectural University |
Principal Investigator |
藤野 靖博 福岡県立大学, 看護学部, 講師 (20405559)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | カプサイシン成分 / サーキュレーター / 睡眠導入 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、カプサイシン成分とサーキュレーターを用いて、より簡便に睡眠導入効果が得られる方法を実験的に検証することである。足底にカプサイシンジェルを塗布し、末梢血管を拡張させ、その後、サーキュレーターを用い末梢皮膚からの熱放散を促進することで、深部温を低下させ、睡眠状態へ移行しやすくできるようにすることである。 カプサイシンジェルとサーキュレーターを用いた睡眠導入効果を実験的に検証するため、実験中は皮膚温(体幹皮膚温と末梢皮膚温)の温度勾配を測定、睡眠情報を得るための脳波と眼球の計測、自律神経指標、深部温を経時的に測定する。 2020年度は、研究計画書の作成、必要備品・物品の手配、実験環境の整備、プレテスト、本実験を実施する予定であった。機器メーカーとの詳細な打ち合わせを行い研究目的に合致した機器を科学研究費内で選定し、導入することができた。そのため、研究を遂行する環境を整えることができ、新たに導入したワイヤレス人体センサー、心拍変動解析プログラム、大学で保有していた皮膚温度計、睡眠測定器等を用いてプレテストを実施した。結果、カプサイシンジェルとサーキュレーターを使用した場合に末梢皮膚温の低下速度が緩やかな傾向がみられた。今後さらに検証を進めて行く必要があるが、末梢皮膚温が緩やかに低下することで、熱放散の効果が長く持続する可能性も考えられる。つまり、仮説を立てていた通り、足底にカプサイシンジェルを塗布し、末梢血管を拡張させ、その後、 サーキュレーターを用い末梢皮膚からの熱放散を促進することで、深部温を低下させて睡眠状態へ移行しやすくできる可能性があることが昨年と同様に示唆された。しかし、 新型コロナウイルスの影響で、研究協力者の確保が思うように進まず、また研究における感染予防策を講じることに時間を要していたため、思うように実験が進まなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度は、研究計画書の作成、必要備品・物品の手配、実験環境の整備、プレテスト、本実験を実施する予定であった。機器メーカーとの詳細な打ち合わせを行い研究目的に合致した機器を科学研究費内で選定し、導入することはできたため、研究を遂行する環境を整えることはできた。 しかし、新型コロナウイルスの影響で、研究協力者の確保が思うように進まず、また実験における感染予防策のシステム構築に時間を要したため、思うように実験が進まず、当初予定していた研究計画の実行が十分に行えなかったため(3)やや遅れていると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度はプレテストから得られたデータを詳細に解析し、新型コロナウイルス感染予防対策を講じた上で、効率的に研究データが収集できるように研究計画の微調整を行い、実験数を増やして検証を進めていく。 現状において、新型コロナウイルス感染症の終息が見通せず、研究協力者の確保、実験の遂行に困難を極めているが、研究協力者の感染予防に最大限配慮し、可能な限り実験数を増やしていこうと考えている。 その上で、睡眠情報を得るための脳波と眼球の計測、自律神経指標、深部温等の得られたデータを解析し、カプサイシンジェルとサーキュレーターを用いた睡眠導入効果の検証を行っていく。
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Causes of Carryover |
購入した機器の定価と納入額に差があったため、微小な次年度使用額が生じた。
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