2019 Fiscal Year Research-status Report
交流分析を用いた、新人看護師の就労支援の在り方の検討
Project/Area Number |
19K10810
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
小川 真規 自治医科大学, 医学部, 教授 (70525451)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 交流分析 / 新人看護師 / 不適応 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度に自治医科大学病院に入職した新人看護師(125名)を対象に、交流分析(TA)法、A Study of the State-Trait Anxiety Inventory(STAI)を用いて、入職時の性格傾向、対人関係力、不安特性を、また看護師志向性について、5段階のアナログスケールで、調査を行った。125名中121名から回答を得た。 就業に不適合を呈した者に対し、産業医面談を実施し、具体的な不適合要因を聴取した。聴取者数は、13名であった。本年度は、13名の解析を行った。 13名の不適合要因で最も多かったのが、能力の10名、続いて人間関係の4名、不安の3名であった(複数回答)。 13名中10名において、パイロット調査に見られた、①『親の自我』を表すP因子において、批判的な親の自我(CP)<保護的な親の自我(NP)、の関係が5名全員に見られた。また、②『子供の自我』を表すC因子において、順応の子供の自我(AC)>自然の子供の自我(FC)、順応の子供の自我(AC)>反抗の子供の自我(RC)、の関係が見られた。この傾向が見られなかった3名は能力が不適合要因に含まれていた。 特性不安においては、13名中9名が5段階中最上位もしくは上から2段目を示し、特性不安が高い傾向が見られた。特性不安がそれほど高くない4名は、全員能力が不適合要因に含まれていた。能力を挙げた10名中8名で、看護師志向性が5段階中1または2と低値であった。自己肯定感、自己否定感、他者肯定感、他者否定感の度合いで、『自己否定-他者肯定』のパターンが、13名中10名であり、このパターンを示さない3名は能力を挙げた者であった。 これらの調査から、不適応者には一定の傾向が見られる。令和2年度も症例の蓄積を図る。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度予定していた、自治医科大学病院の新人看護師に対する調査は完了できた。また、当初回収率を80%程度と見ていたが、それを超える回答を回収することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究2年目に当たる令和2年度は、自治医科大学病院に加え、協力病院でも実施の予定であった。 しかし、新型コロナウイルス感染拡大を受け、自治医科大学病院でのみ実施を継続する。
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Causes of Carryover |
予算策定の段階で、調査対象者数が決定していなかったため、多少多めに見積もったため。余剰金は、データ解析に関わる費用に充てる。
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