2020 Fiscal Year Research-status Report
交流分析を用いた、新人看護師の就労支援の在り方の検討
Project/Area Number |
19K10810
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
小川 真規 自治医科大学, 医学部, 教授 (70525451)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 交流分析 / 新人看護師 / 不適応 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度も、昨年度同様自治医科大学附属病院で実施した。 2020年度に自治医科大学病院に入職した新人看護師(95名)を対象に、交流分析法、STAIを用いて、入職時の性格傾向、対人関係力、不安特性を、また看護師志向性について、5段階のアナログスケールで、調査を行った。93名から回答を得た。 就業に不適合を呈した者に対し、面談を実施し、具体的な不適合要因を聴取した。聴取者数は、10名であり、10名の解析を行った。10名の不適合要因で最も多かったのが、能力の8名、続いて適性の3名、人間関係の2名、不安の1名であった(複数回答)。10名中9名において、①『親の自我』を表すP因子において、批判的な親の自我(CP)<保護的な親の自我(NP)、の関係が見られた。また、②10名中5名に『子供の自我』を表すC因子において、順応の子供の自我(AC)>自然の子供の自我(FC)、順応の子供の自我(AC)>反抗の子供の自我(RC)、の関係が見られた。この傾向が見られなかった5名は能力が不適合要因に含まれていた。特性不安においては、10名中5名が5段階中最上位もしくは上から2段目を示し、昨年度と比らべ少ない傾向が見られた。特性不安がそれほど高くない5名は、全員能力が不適合要因に含まれていた。昨年度能力を挙げた者の8割で、看護師志向性が5段階中1または2と低値であったが、本年度は、看護師志向性が5段階中1または2と低値者は、1名であった。自己肯定・否定、他者肯定・否定の度合いで、『自己否定-他者肯定』のパターンが3名、『自己肯定-他者肯定』のパターンが3名、『自己否定-他者否定』のパターンが2名、残りが『自己肯定-他者否定』、『自己中庸-他者否定』のパターンがそれぞれ1名ずつであった。 今年度は昨年度と異なる傾向が見られたが、今後はこれまで収集した32症例を中心に詳細に解析し、傾向を見出していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、自治医科大学附属病院以外の病院でも実施予定であったが、新型コロナウイルスの影響で、他病院での調査が実施できなかった。しかし、自施設で実施し、症例数は集められている。ただし、施設の偏りは否めない。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、不適合群32症例を検討し、不適合要因別の傾向を見出す。また、パイロット症例および、2019,2020年度の32症例を対照群、その他症例をコントロール群として、不適合を呈しやすい傾向を見出す。
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Causes of Carryover |
概ね予定通りに助成金を使用した。残金は次年度以降の解析に関わる費用に充てる。
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