2019 Fiscal Year Research-status Report
看護基礎教育における医療事故の未然防止シミュレーショントレーニングの構築
Project/Area Number |
19K10818
|
Research Institution | The Japanese Red Cross Hiroshima College of Nursing |
Principal Investigator |
三輪 晃子 日本赤十字広島看護大学, 看護学部, 講師 (00779689)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 医療安全 / 医療事故の未然防止 / 看護基礎教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、医療者による誤った行為が発生したとしてもお互いで護り合うことができる人材育成を目的に医療事故が未然防止できる看護師の特徴を明らかにすることである。その後、①医療事故防止対策への提言と、②医療事故が未然防止された事例から看護基礎教育におけるシミュレーショントレーニングを構築することである。 調査1として循環器病棟看護師に対する医療事故の未然防止のインタビューに向け、現在研究協力者を募集している段階である。医療事故の未然防止事例の分析においては、日本医療機能評価機構の医療事故情報収集等事業のデータベースを用いて事例を収集した。2018年1月から12月までのヒヤリ・ハット事例の中から「循環器」、「循環器内科」、「心臓血管外科」、「心臓外科」、「血管外科」、「CCU」の用語を含む530事例を抽出した。530事例のうち、医療事故が未然防止されていた事例は7件(1.3%)であり、いずれも薬剤の取り扱いに関する事例であった。医療事故の未然防止事例の概要は、注射薬剤の準備に関する場面が3件、医師からの薬剤指示を看護師が受ける場面が2件、患者への内服薬の与薬の場面が2件であった。医療者の誤った行為に気付いたのは看護師が4件、患者が2件、記載なしが1件であった。しかし、医療者の誤った行為に気付いた状況や、なぜ他の医療者の誤った行為に気付けたかまでは記載がされていなかった。 今後は、循環器病棟看護師を対象にインタビューを行い医療事故が未然防止できた看護師の特徴を明らかにしていく。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究倫理審査に時間を要したためと、新型肺炎の影響により現在インタビューを中止していることによりやや遅れている。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究計画に大きな変更はない。新型肺炎の影響によりインタビューが実施できない期間に調査2である手術室看護師が携わった医療事故の未然防止事例の事例分析を進めている。また、手術室看護師を対象としたインタビューの研究倫理審査はすでに終了しており、今後は調査1の循環器病棟看護師と調査2の手術室看護師へのインタビューを並行して行っていく。
|
Causes of Carryover |
調査1における循環器病棟看護師に対するインタビューが実施できていないかったため、調査にかかる旅費とデータ入力の人件費等が発生しなかった。そのため令和2年度に調査1と調査2を並行して行う計画にしている。
|